テンカラ渓流一年生の旅

　2024年4月6日　驚いた！　思わぬところに山女、それも色模様が小菅の山女と違うような、そして小さな場所から大きな岩魚が、この二匹は本当にびっくりして満足した釣りになった。

　今日は雨模様、と云うか曇りの予報で気温も高い。　雨が気になるところであるが、こんな日には釣り人も少ないだろうと、小菅川の奥へ行って涼み竿を振るのである。　今日は土曜日であることをすっかり忘れていて、ゆっくり出てしまったので釣り場が気になった。　小菅川源流に入っていっても車は全くなかったので安心すると、肝心の林道一番奥、その下の雄滝にだけ車があった。



　一旦は一番奥まで行ったのに、どうしても流れにはいることができずに、下流の沢に向かった。　三月に雪に阻まれた赤沢を釣るのであるが、奥へ行く前にすぐそこにある堰堤下に竿を出した。　水量が多くて短い距離はすぐ流される。　それでも一瞬誘ってみるとラインごと持ち去られた。　これがびっくり、素晴らしい色の山女である。　しかも小菅の山女の色じゃないと、本当に山女かと疑ってしまう色模様だ。　実は10年以上も岩魚しか見ていない流れなので、本当に驚いた。



　私は滝まで行かれないので、すぐに戻って滝の上へ巡視路で向かい、相変わらずのズルズル斜面の獣道に危険を感じながら流れに下りる。　流れは非常に変化しており、今までのいい場所には振り込めなかったりする。　そんな流れの浅瀬で石の傍を流せば、石から大きな岩魚が出てきた。　ポンと合わせてラインを緩めると、そのまま外れて逃げられる。　甘い、甘～い！



　倒木が突き刺さる淵はずいぶん狭くなっており、毛鉤は斜め上からしか落とせない。　流れも緩い巻き返しも反応がないので、毛鉤を沈ませて誘って流す。　するとギュッと手応えがあり、今度はしっかり合わせると大暴れする。　針が刺さった部分が悪いのだろうか、上から網を突っ込んで取り込んでもまだ暴れている。　感触はもっと大きいと思ったのだが、小さな岩魚を相手にしていると、22cmは大物なのだ。



　再び滝が現われ、ちょっと考えて越えることにする。　ちょっと考えた理由は、岩盤が濡れていることと下りる場所の状況が分からないこと、一旦越えたら巡視路まで行かないと戻れないからである。　やっぱり岩盤が滑り生きた心地がしない。　下りるときには滑り落ちるのだが、方向を間違えると岩盤に囲まれた滝に落ちるので、下りはじめに滑ったら終わりなのだ。　ズルズルを登れないし、岩盤を下れないので、巡視路まで行くしかなくなった。



　岩魚は結構出てくるので飽きないが、20cm以下が多く引きが軽いのが消化不良である。　倒木が流れを堰き止め2m近くの落ち込みになっている場所がある。　ここは浅く白泡だらけ、流すとすればその流れが岩にぶつかるところしかない。　最初の振込みで引っ掛かった、と思ったらビクビクっと力強い引きが分かった。　浅いので走り回る場所は少ないので、下に落ちることだけを注意すればよい。



　その落ちてくるところに網を出してすくう。　その岩魚は場所に似合わず26cmもあった。、浅くて狭い、落ち込み下も岩盤なので深場はない。　こんなところが棲家になるとは驚きである。　これだから、狭い、浅い場所でも毛鉤を落すのである。　この岩魚は、場所も岩魚の大きさも実に驚きである。



　時間が無くなってきたが、岩魚は出てくる。　進むもの厳しい場所が私を足止めする。　両脇が切り立った1mくらいの落ち込みは、深場に足を突っ込まないと登れないのだが、今日はウェーダを履いていないので、高く登って滑り降りる。　そして最後に巻くことのできない2mくらいの滝になり、最終的に滝を横切るように登るしかないのだ。　ここはもう釣りをするような場所ではない。

　巡視路はそこに見えているが疲れた体には、最後のズルズル斜面がきつい。　道はあっちこっちで崩れており、ここもまた相当に危険である。　特に二カ所の崩れは、足場が崩れたら・・・　50分もかかってフィットに戻った。　今年整備をしてもらわないと、安心して赤沢を釣られない。