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2020年09月21日

 諦めた千曲川

 2020年9月18日 ずっと、ずっと行きたいと思っていた千曲川源流に行った。 しかし、中途半端で諦めて帰った。 ひどい!

いい感じの流れである千曲川源流
 どうしても行きたい。 天気予報はあまり良くないが、私の天気予想はとても良い。 そう思わないと、千曲川源流部には行くことができない。 早起きして、長野県川上村に向かった。

川上村の高原野菜は繁盛し景色が良い
 途中雨になり、雲の中になり、そして雨は止んだ。 川上村に到着である。 調子の良くなった高原野菜の中を走って、毛木場駐車場に入る。 車は15台、この中に釣り人は何人いるだろうか。

これが登山道か、傷跡も大きい
 ササッと準備を整えて、ススッと登山道に入っていく。 必至ぶりに来た甲武信ヶ岳登山道は、やっぱり去年の台風や今年の大雨で、あっちこっちが削られ、埋もれ、崩れている。 東沢出合い近くまで歩いて、いよいよ源流に入る。

入渓地点の東西の沢の出合い
 流れに入るとすぐに、東沢出合いである。 流れは、これまでと違って見える。 ホームリバー?と同じで、石が流され、岩盤が見え、大きな石しか残っていない。 本川と見間違うほどの水量の東沢に入っていく。

最初の淵は、だいぶ埋まっている
 最初のうちは竿が振りにくい。 すぐに大きな淵があるはずなのだが、その淵に住蛾が溜まっており、だいぶ小さくなっていた。 魚はというと、魚影もなく、当然魚信もない。 おかしい、呆然と立ち尽くす。

流れは記憶にない様相になっている
 流れの様子が変わっていても、水が出たとしても、なんだかおかしい。 しばらく竿を振りながら、遡っていると、石の上にフェルトの足跡が見えた。 わぉ、先行者がいるんだ。 足跡の場所から、餌釣りの釣り人である。

東沢最初の枝沢、戻りはこの上を通過
 反応は二回、一回目は咥えたが姿を見る前に外れる。 二度目は、反応がないので足を踏み入れて走られる。 そのうち、足跡がはっきり見るようになり、丹念に釣ったとも割れる場所はさらにはっきりする。 出合いの滝が見えて、諦める。

枝沢上の水溜りと大石
 試しに滝を登って、様子を確かめる。 釣りになりそうにない・・・目の前の大石を登れば可能かも、と思ったが止める。 下っていこうとしたときに、対岸に何となく路が見えたので、無理やりその道を使ってみることにした。 これが失敗である。

森林軌道跡と思われる
 最初は震えながら斜面を進む。 すぐに路らしくなったが、立派に見えたので、きっと森林軌道の跡だろう。 歩きやすく、尾根に向かって少しづつ登っていく。 そして突然切れ落ちる。

森林軌道が窪を渡る場所、お城の石垣のようだ!
 斜面には石垣が作られて、往時の繁栄が垣間見える。 ここに橋があったのだろうが、対面の斜面に石垣は見えない。 二つの石垣を下りていき、枯れた窪を渡らずに下りていく。 流れに立って、対岸の古い林道に立つ。

西沢に戻ってきた
 西沢の出合いまで下りてきて、いざ竿を伸ばそうとすると・・・・・・・なんと竿はない。 斜面の旧軌道を歩いた時に落としたに違いないと、しぶしぶ、ん~、行くしかない! 東沢に再び入って、釣りを諦めた場所まで戻り、登った斜面をもう一度登る。 滝を登った場所から、森林軌道跡までの間に竿は落ちていた。 なんて日だ!

大石の下には岩魚がいたが・・・
 とっても雰囲気がいい流れにやってくる。 大石の下に毛鉤を落すと、岩魚の姿が現われて、毛鉤を追った。 咥えたような気がしたので、ぴゅっと竿を立てると、岩魚はいきなり走って逃げた。 結局もう出てこない。

17㎝であるが、もっと小さく見える

景色がとても良い、でも疲れる大石だらけ
 暗い流れ、岩の下に毛鉤を置くと、やっと、やっと岩魚が出てきた。 大きく見積もっても17㎝の岩魚で、明かり岩魚らしくない。 更に登っていくと、流れの石はだんだんと大きくなるような気がしてくる。 油断したのか、乗った岩から滑り落ち、カメラのレンズガードがへこむ。

こっちの方が色は良い、岩魚は小さい

岩盤を流れる落ち込みは、本日唯一
 続けて岩魚は出てきたが、やっぱり岩魚らしくない。 小さな岩魚なのである。 岩盤の落ち込みは砂利で小さくなっているが、私にはポイントが分からない。 右岸を登って巻いて越える。 流れの水は少なくなってくる。

旧軌道の石橋は崩壊寸前である、綺麗な橋だったはずだ
 石垣が見えたので、じっくりと見ると石橋のようである。 森林軌道の石橋で、眼鏡橋だったようである。 ずいぶんと壊れているが、もう少しすれば全部落ちるかもしれない。 そのくらい壊れている。 そんなことはどうでもよい!

右上に登山道がある、半分落ちているのでロープが・・・
 登山道が流れのすぐ横に見えた。 ロープが張られ、赤いテープがたくさん見える。 登山道が流れで削られ、落ちたようであった。 景色を見ているだけで、この川を流れた水の恐ろしさが分かる。

倒木のダムかと思ったが・・・
 流れが堰き止める大量の倒木の山が見えた。 もしかすると、その向こうに大きな池があるかもしれないので、意気込んで進む。 意気込んだもののそこには浅くて細い流れしかなかった。 開けれが振り込み易くなるものの、今度は風が邪魔をする。 テンカラには大敵で、思うところに毛鉤が落ちない。

どこの誰のための慰霊碑か、手を合わせる
 陸へ上がることを決めて、登山道に向かうと、すぐに慰霊碑があった。 杖となった木の枝が沢山立てかけられて、どこの誰とも分からない日に手を合わせるのだ。 登山道の崩れを見ながら下る。

戻りの登山道も私には厳しいのだ

大山祇大神
 大山祇大神に御礼を云って、下っていくが、今日はなんて日だと思う。 先行者がいる。 風が強い。 岩魚は全く出てこない。 竿を落して渓を二往復する。 大石を越えるのに疲れ果てる。 岩から滑り落ちる。 カメラレンズにへこみが出る。 肩を落として歩く。

戻りの高原野菜も瑞々しい
 携帯電話の届く位置まで来て、宿の予約を取ろうとしたが、どこも受け付けてくれない。 天候はだんだんと崩れていく。 車で寝る元気がない。 ん~ せっかく来たのに・・・ 家で寝ることにした。




タグ :岩魚

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