2020年06月01日
封じ込められた岩魚
2020年5月29日 岩魚は少しの深場と隠れる場所があれば生き延びる。 今日は小菅川の奥が通行止めだったので、支流に入った。 ここは滝や大堰堤があり、岩魚が上ってくるのは困難な場所である。

いい天気である。 しかも今日は休みである。 さらに、全国の緊急事態宣言が解除され、徐々に道の駅やお店の営業も始まり、登山道や駐車場も封鎖を解かれ始めているのだ。 ひと月半も行っていない小菅川へ釣りに向かうことにした。 途中にある駐車場は、開いていたり閉まっていたりするが、まぁ昼には開くことだろう。

小菅村の源流部に入っていく。 舗装道路が途切れるところまで来ると、その前に車が2台停まっており、砂利道には通行止めの看板があった。 道路わきにあったので、難なく通過できるのではあるが、情報がないので、今日は止めることにした。 それならばと、以前は通行止めになっていた林道に向かった。 幸い通行止めは解除されていた。

あまりにいい天気なので、椅子を出して日光浴しながら準備する。 鷹の姿を見て、林道を歩いて行く。 綺麗な檜林を抜けたところで、一旦様子見に流れに下りる。 小さな滝があるところで、岩魚が溜まっているならこの滝壺だと思ったからである。 しかしながら、その思いは外れて、毛鉤を流しても引いても無駄であった。

一旦竿を振り始めると、仕舞うのが面倒で、欲望が抑えきれずに滝を巻いて竿を振る。 流れはそれなりに水があり、小さな淵も所々にあるので、岩魚が潜んでいそうである。 そんな場所を選んで毛鉤を落していく。 最初に探った滝つぼと同じように、岩魚はなかなか出てこない。 流れの様子はいいのだが、どうしたのだろうか。

渓は狭いので、竿は自由に振られない。 上を向いている岩魚がいるのなら、一発で咥えるはずの場所がある。 竿を振るのは難しいが一回ならできると、ラインを左手に持って毛鉤を落す。 ポチャン チャプッ ほうら出た。 岩魚は静かな水面を割って、毛鉤をうまく咥えた。 竿を立てるのを枝に邪魔されながら淵に下り立つ。

緑は濃くなり、その緑は水面に映る。 景色全体が緑色に染まる。 竿を振るのはストレスが溜まるものの、この緑が癒してくれる。 最初のうちは岩魚の反応は少ないものの、私が緑に慣れるとともに、岩魚も私の毛鉤に慣れてきたか、ちゃぽちゃぽ出るようになる。 ただ、渓が狭い分、出てくる岩魚は皆20cm以下のものばかりである。

滝を越え、緑を愛で、渓を進んでいく。 山葵田の跡が顕著になって、少々景色が良くない。 その山葵田跡をつなぐように滑の流れが多くなっていく。 滑が多くなると、当然岩魚の隠れ家も少なくなり、毛鉤を落す場所の選択も苦しくなってくる。 ラインをゆるゆるにして、淵の中を誘って探ると、23cmの岩魚が咥えた。 まだまだいるのだ。

雲行きが怪しくなってきた。 明るいのか暗いのか中途半花空が、緑の隙間から見えている。 雷も聞こえたような気がするので、竿を置いて昼食にする。 大木の傍で、持ってきた非常食の準備をしていると、雨が降ってきた。 雨はだんだんと激しくなって、合羽を出して、調理を続ける。 結局、雨の中で食事をして、食い終わると雨も止んだ。 なんてこった!

食事の準備をしているときに、カモシカが現われた。 ガサッと音がしたので顔を上げると、目の前の斜面をカモシカが登っていく。 下りてきて私に驚き戻ったか、私の背中側から下りてきて流れを渡ったか、さてどっちだろうか。 カメラ、カメラと慌てても、合羽に包まれた中にある。 山は、渓は、これだから楽しい。 しかし、残念!

二股の先は落ち込みが続き、結構な高低差がある。 真っ直ぐ進むのが難しいし、陸を進もうとしても土砂の斜面は脆い。 一旦は終了しようと思ったが、もう少し、もう少しと進んだ。 岩魚は結構出てきていたが、満足できる感触がないのである。 それにしても上を向いた岩魚はいないのか、だいたいにおいては誘わないと咥えないのである。

また二股となる。 このあたりが限界かと思い始めて、最後となる半径2~3mの淵にやってくる。 普通に注進を流す。 端っこの淀みに、何度となく毛鉤を落す。 いずれも無駄な動作で、全く反応がない。 これまでの状況から、淵に毛鉤を巻き込ませて、これでもかというほど毛鉤を引いた。 ごん! 咥えた~

竿は急激に曲がり、動かない。 大きな淵ではないので逃げ場はなく、伸されることもないので、外れることだけを気にすればよい。 ラインは短いはずなのに、竿を後ろに倒しても網に近づかない。 我慢比べとなり、やっと見えた岩魚に興奮は絶頂に達する。 その岩魚は28cmである。 こんなところにいるのかと、じっと観察する。

岩魚はいくら測っても尺には届かない。 この岩魚は、白い斑点がなく、橙色の斑点も薄く残るだけである。 大きさの割には口は尖っておらず、雄雌の区別はつかないのだが、もしかすると雌なのだろうか。 しかし、この淵では、これ以上の成長は難しいかもしれない。 今日は初めての姿を確認し、再び同じ淵に放す。

終了する。














Posted by tenkara1nen at 19:00│Comments(0)
│小菅川