2017年10月02日
渓流釣り最終日
9月30日 今年の渓流最後の釣りに、小菅川へ行ってきた。 釣れない釣りで終了した。

私にとっての渓流最終日は、今シーズン30回以上お世話になった小菅川である。 今年は天候がよくない日が多かったにもかかわらず、釣り人が多かった印象なので、よい天気の渓流最終日は相当に混み合うと予想する。 小菅川のどこで竿を振ろうか、人が多いと分かっていても源流部に行くと決めている。 さぁ出発である。

だいぶ早く起きた。 起きてすぐに外へ出てみると、辺りはまだ暗く、空もまだ青くない。 せっかく早く起きたのだからと、珈琲も飲まずに準備を整えて、さっさと車に乗り込む。 夜の青梅街道を走れば、車は少ないと思いきや、5時を回ればそんなことはない。 ダンプが数多く走っているので、どうも走り難い。 青梅を過ぎれば空に色が付いてくる。 奥多摩湖の湖岸からダムの堰堤方向を見ると、空が赤くなっていたので車を停める。

気温はあまり低くない14℃なのに、寒さが応えるような体になったのか、寒い。 小菅村の街中に入っていくと、トラウトガーデンにはいつもより長い列ができているように感じる。 季節にはあまり関係ない管釣りなので、私の思い過ごしであろうか。 静かな街を抜けていき、いよいよ源流部に入っていく。 時計は6時を回っている。


一番堰堤に車はなかったが、その後はずっと車があった。 最終日は、気合を入れる人と最後に竿を出せればいいという考えの人とがいる。 今は、気合の入った釣り人が来ているに違いない。 私はというと、確かに気合を入れて?やってきたはずなのだが、多くの車を見てへなへなとなったところである。 気合が足りない!

今日は最終堰堤までは行かないことにしており、どうしても岩魚の様子がおかしい沢に、最終確認で入る予定なのだ。 比較的行程の長い大菩薩峠登山口からの歩きである。 車を停めて、のんびりと準備をしているが、車が一台も上ってこない。 こんなに車が来ないということは、上にも車がいないのかもしれない、などと気持ちがふらついてくる。 いやいや、それを振り払うように、すっと立ち上がり歩き出す。

先の流れに行く前に、ちょこちょこっと竿を出し、最初の滝まで行く。 水は非常に少なくなっており、狭く浅い流れでも、小さな岩魚は棲んでいる。 大きなものは、隠れているのか釣り切られたのか、今シーズンは見ていない。 様子見だからと、さっさと登山道まで戻り、巡視路で滝上を目指す。 いつものように、この道は疲れすぎていけない。 だらだらの上り坂が簡単に進んでいけるよう鍛えねば。

今日は道(?)を間違えずに、土砂の積もった斜面をずるずると落ちていく。 最後の数メートルは滑り落ちたに等しい下り方となる。 今年できた小さな深場に魚影が見えた。 あいにく、下流側には下りられないので、上から竿を振ることになる。 透明度が高いので、私の姿に気付かれたら終わりだと、発見した位置から動かずに毛鉤を飛ばす。 咥えた~ おおっと外れた~ ……… 二度と出てこない。


前回来たときには、倒木に無数のきのこが生えていたが、今日はただのひとつも残っていなかった。 きのこ採りは、こんなところにもやってくるのだと、釣り人と同じような道を進むのだと感心する。 もしかすると、釣りのついでに採っていったのだろうか。 一段と水の少なくなった流れには、砂利が溜まっていることもよく分かる。 数少ない淵は、砂利で狭くなっているのである。


出てくる岩魚は数少ない。 やっと出てきても小さいものばかりである。 挙句の果ては10cmにも満たないものまで出てくる。 やっぱり、この流れには岩魚はいなくなったようである。 願わくは、小さな岩魚たちが生き延びて、来年は大きな姿で私と遊んで欲しいものである。 なかなか思い通りにはならないものである。 右岸を登って、砂の斜面をずるずると下り、滝を越えていく。

ここからは、山葵田の跡が顕著になる。 細い流れもメリハリがなくない、全体的に浅瀬の流れになっている。 釣りの本で紹介されるような浅瀬よりも数倍浅く、どんな小さい子でも安全ではないかと思うくらいの浅瀬である。 こんなところにはいない! でも毛鉤はとりあえず落としてみる。 すると、なんとしたことか、立て続けに岩魚が出てくるではないか。 10cmくらいの深さしかない流れである。 岩魚は小さい。


細くて浅い流れではあっても、ところどころにちょっとだけ、岩魚が休んでいそうな淵がある。 流れ出しは砂利が溜り、淵は小さくなっているので、表面に岩魚が出てくるような場所はない。 毛鉤が沈まないといけないが、そうすると合わせが上手くいかないのである。 手ごたえは数回あったが、あまり大きいものには感じられなかった。 滝の二つ下の淵以外から、岩魚が出てくることはなかった。

通らずの下の淵に立ち、一段上の流れに毛鉤を落とす。 気合が足りない、油断した、毛鉤が引っかかってしまった。 竿を置いて通らずを巻きたくない、引っ張って糸を切りたくない、ということで、竿を持ったまま右岸をへつって、最後に足を伸ばして落ち込みの上に立つ。 始めて右岸を通過した。 浅い時には淵に入って左岸を登り、駄目なら左岸を高巻いて越えていたところである。 少し進歩したかな。

いつも岩魚のいるところに岩魚はいない。 こうなってくると、釣り切られたのではないかと思ってしまう。 流されたとしても、このくらいの淵であれば残れるはずである。 それとも、下手な釣り人には釣られないぞ、という岩魚がいるのか。
右岸にあった砂利の山(山葵田の石)は、大水が出たことがはっきり分かる筋ができていた。 水の流れた跡はいくつもあり、左右の窪や沢は、溝ができているか、岩盤が見えているかである。

ここからは岩魚を見たことがないという細流までやってきた。 岩魚の影が見えた。 よ~し、奴と勝負だと、2mくらいの流れに慎重に毛鉤を落とす。 動いた、追った~、咥えない! 数回やって、毛鉤(私のブログのアイコンと同じ毛鉤)に反応しなくなったので、毛鉤の交換を試みる。 緑の胴を黒に、茶色のハックルを白に変更した。 一度下の落ち込み近くまで追ってきたが、毛鉤操作が早すぎたのか、今度は二度と出てこない。 私の負けである。

少々上まで岩魚が登っているのは分かったが、これ以上は出てこなくなる。 右岸の大崩落を過ぎ、山葵小屋の跡で一休みする。 これからどうしようか。 予定はここまでであるが、時間はまだある。 しかし、ここから上流は、チョロチョロの水しか流れていない。 一服した後、ひとまず右側の沢に見えている滝まで行くことにした。 忘れていたが、一度来たことがある滝で、淵を持っていないのである。

滝(落ち込み)を登ってみる。 非常に危ない滝で、つかんだ岩が剥がれ、足を置いた岩が崩れ落ちる。 登った先には、石垣が延々と見えていた。 ええ~ 予想はしていても、実際目の当たりにすると、先へ行くぞの気持ちは萎えてしまう。 終了とする。 細心の注意を払って、滝(落ち込み)を下り、巡視路まで下りる。


いつもであれば、右岸側で林道まで戻るのであるが、今回は左岸の巡視路を使ってみる。 進むにつれて、右岸の巡視路との差が顕著になる。 その顕著さは、荒れているということである。 時々道を見失いそうになるほど、斜面が崩れ道を消し、道端にあった大木が倒れ、道とは思えない場所もあった。 そして、最初に遊んだ場所に下りてきた。

今年の渓流釣り最後に、沢を歩いたが、岩魚はやっぱりいない。 どうも小さな岩魚ばっかりが残っているようである。 きっと来年は大きくなって、私を喜ばせてくれるである。 それにしても、小菅の岩魚は釣りきられるようになったのだろうか。 小さな岩魚ばっかりだと、子孫を残すのが難しくなるので、来年同じことが起きれば……… 渓流を大切にしましょう。

















右岸にあった砂利の山(山葵田の石)は、大水が出たことがはっきり分かる筋ができていた。 水の流れた跡はいくつもあり、左右の窪や沢は、溝ができているか、岩盤が見えているかである。






Posted by tenkara1nen at 21:50│Comments(8)
│小菅川
この記事へのコメント
2017年 渓流釣りシーズン お疲れ様でした。
雨に少し左右され過ぎたシーズンだったかもしれません。
渓流釣りの方が増えて来ても居るようにも感じます。
人気が出ることは良いような悪いような 思うところはありますが。
出来たら魚を抜かないで欲しいと願うばかりです。
「あなたが1尾でも あなたと同じ人が何百人いるのであれば
その1尾は大切に渓に戻してほしい。」っていう感じでしょうか。
ルールを守らならない人も多く見かけています。
また 未熟なのに 山奥まで入る人も まあ私もそうなのですが
しっかり技量にあった所にして欲しいです。
事故が起きなければ良いのですが気になります。
今年の「こうたろうのコーヒーショップ 小菅源流店」は 本年4回かなopen。
一人で楽しんでいたのですが 地面が湿っていることが多く
なかなか ゆっくりと食事もできなかったように思います。
秋虹で心を静めながら来春に思いをはせましょう。
雨に少し左右され過ぎたシーズンだったかもしれません。
渓流釣りの方が増えて来ても居るようにも感じます。
人気が出ることは良いような悪いような 思うところはありますが。
出来たら魚を抜かないで欲しいと願うばかりです。
「あなたが1尾でも あなたと同じ人が何百人いるのであれば
その1尾は大切に渓に戻してほしい。」っていう感じでしょうか。
ルールを守らならない人も多く見かけています。
また 未熟なのに 山奥まで入る人も まあ私もそうなのですが
しっかり技量にあった所にして欲しいです。
事故が起きなければ良いのですが気になります。
今年の「こうたろうのコーヒーショップ 小菅源流店」は 本年4回かなopen。
一人で楽しんでいたのですが 地面が湿っていることが多く
なかなか ゆっくりと食事もできなかったように思います。
秋虹で心を静めながら来春に思いをはせましょう。
Posted by こうたろう at 2017年10月02日 23:44
今年は終わってしまいましたね。 渓流釣り!
なんだかおかしな2017年でした。 おっしゃるような理由かもしれませんね。
いずれにしても、回復することを願うばかりで、釣り人の協力もお願いしたいくらいです。
「こうたろうのコーヒーショップ 小菅源流店」は探せずに終了したのは残念です。
「こうたろうのコーヒーショップ 冬季小菅店」なんぞができればいいですね~
(冗談ですよ)
来年こそは、探して伺いますよ!
なんだかおかしな2017年でした。 おっしゃるような理由かもしれませんね。
いずれにしても、回復することを願うばかりで、釣り人の協力もお願いしたいくらいです。
「こうたろうのコーヒーショップ 小菅源流店」は探せずに終了したのは残念です。
「こうたろうのコーヒーショップ 冬季小菅店」なんぞができればいいですね~
(冗談ですよ)
来年こそは、探して伺いますよ!
Posted by tenkara1nen
at 2017年10月03日 00:38

源流域での竿納、お疲れさまでした。
楽しく苦しい毛鉤釣り、今年も楽しく拝見させていただきました。
楽しく苦しい毛鉤釣り、今年も楽しく拝見させていただきました。
Posted by 杣女 爺 at 2017年10月03日 06:10
シーズン終了してしまいましたねー
最終日は釣り人とゴミ拾いの人とで釣りにならないなーとおもったので、
行きませんでした。
天候のせいもあり、9月は一度も小菅にいきませんでした。
今シーズンは全体的に魚が小ぶりで少なかった気がしますね。
シーズン開始に聞いた”持ち帰りサイズ以下でももってかえるひとがいる”という残念な話がいつまでも耳に残っています。
来年はどうなることやらです
最終日は釣り人とゴミ拾いの人とで釣りにならないなーとおもったので、
行きませんでした。
天候のせいもあり、9月は一度も小菅にいきませんでした。
今シーズンは全体的に魚が小ぶりで少なかった気がしますね。
シーズン開始に聞いた”持ち帰りサイズ以下でももってかえるひとがいる”という残念な話がいつまでも耳に残っています。
来年はどうなることやらです
Posted by 藤田 at 2017年10月03日 16:33
ご無沙汰しております。
シーズン最終日は後山川へ行きました。
気合を入れて!暗いうちに釣り場へ到着しましたが、
一歩及ばず狙いの谷には入れませんでした。仕方なく別の支流へ。
アマゴの入れ喰い状態で忙しい釣りでした。数はあげましたが、
7寸を超えるのはイワナを含め3尾のみ。チビばかりでした。
大物狙いの自分には少々寂しいラスト釣行となりました。
とはいえ、小さいながらも美しい魚体に魅入られました。
また来年、大きく育って会いたい。
そう願いながら大事にリリースしました。
僕は釣った渓魚は美味しくいただく派ですが、
キープサイズを8寸〜尺1寸と決めております。
(数は家族とその日に食べる分だけ)
大好きな渓流を大事に。
そして、来年はもっと良い釣りができるように。
シーズン最終日は後山川へ行きました。
気合を入れて!暗いうちに釣り場へ到着しましたが、
一歩及ばず狙いの谷には入れませんでした。仕方なく別の支流へ。
アマゴの入れ喰い状態で忙しい釣りでした。数はあげましたが、
7寸を超えるのはイワナを含め3尾のみ。チビばかりでした。
大物狙いの自分には少々寂しいラスト釣行となりました。
とはいえ、小さいながらも美しい魚体に魅入られました。
また来年、大きく育って会いたい。
そう願いながら大事にリリースしました。
僕は釣った渓魚は美味しくいただく派ですが、
キープサイズを8寸〜尺1寸と決めております。
(数は家族とその日に食べる分だけ)
大好きな渓流を大事に。
そして、来年はもっと良い釣りができるように。
Posted by MTBの釣り人 at 2017年10月03日 19:14
今年も見ていただきありがとうございます、杣女 爺さん
来年こそは、いろんな渓を歩きたいものです。 荒川も・・・駄目かな~
今年、沢山の書き込みありがとうございます、藤田さん
5月にお会いした時のスタイルは印象的でした。 スマートな釣り人で・・・
また、どこかでお会いできればいいですね。
青岩谷は駄目でしたか~、 MTBの釣り人さん
今年は初めて渓流魚を持ち帰ろうとしたのですが、そう思ったときには小さいものしか釣れませんでした。
使っておられたMTB、カッコ良かったですよ~ 来年も自転車でお会いできればいいですね。
皆さんありがとう、今年の渓流釣りが終わりました。
来年こそは、いろんな渓を歩きたいものです。 荒川も・・・駄目かな~
今年、沢山の書き込みありがとうございます、藤田さん
5月にお会いした時のスタイルは印象的でした。 スマートな釣り人で・・・
また、どこかでお会いできればいいですね。
青岩谷は駄目でしたか~、 MTBの釣り人さん
今年は初めて渓流魚を持ち帰ろうとしたのですが、そう思ったときには小さいものしか釣れませんでした。
使っておられたMTB、カッコ良かったですよ~ 来年も自転車でお会いできればいいですね。
皆さんありがとう、今年の渓流釣りが終わりました。
Posted by tenkara1nen
at 2017年10月03日 21:00

今シーズンもお疲れ様でした。
今年の小菅川は平日に何度行っても林道終点に車があり最上流を釣り上がれないでいたので、先週は気合いを入れて5時着でなんとか一番乗りできました。
台風の影響か以前より倒木流木が多く、かなりのポイントが潰されてましたがなかなかのサイズが出てきて楽しめましたよ。
それと自己満足ではありますが、大渕で丁度雌雄ペアが釣れたので近くの枝沢の小淵に放流してきました。1匹でも多くの岩魚が増えることを祈りつつ、来年その淵に確認しに行く愉しみができました。
来シーズンも釣り紀行楽しみにしています。
今年の小菅川は平日に何度行っても林道終点に車があり最上流を釣り上がれないでいたので、先週は気合いを入れて5時着でなんとか一番乗りできました。
台風の影響か以前より倒木流木が多く、かなりのポイントが潰されてましたがなかなかのサイズが出てきて楽しめましたよ。
それと自己満足ではありますが、大渕で丁度雌雄ペアが釣れたので近くの枝沢の小淵に放流してきました。1匹でも多くの岩魚が増えることを祈りつつ、来年その淵に確認しに行く愉しみができました。
来シーズンも釣り紀行楽しみにしています。
Posted by JJ at 2017年10月04日 19:01
小菅川の最上流は難しいですね~ JJさん
5時着でないとだめですか。
私も何度か行きましたが、一番乗りは難しかったんですね~
5時ですか~、その時間なら妙見五段の滝の上までですかね~
JJさんはいい感じでシーズンを終了したようですね、ちょっとうらやましく思います。
また、暇なときにはお立ち寄りください。
5時着でないとだめですか。
私も何度か行きましたが、一番乗りは難しかったんですね~
5時ですか~、その時間なら妙見五段の滝の上までですかね~
JJさんはいい感じでシーズンを終了したようですね、ちょっとうらやましく思います。
また、暇なときにはお立ち寄りください。
Posted by tenkara1nen
at 2017年10月05日 19:25
