2016年06月22日
忘れた杖を探しに
6月20日 忘れてきた杖を探しに行ったが、結果は・・・

小菅から尾根を越えて丹波川支流で釣ったとき、あまりに野鳥を追いかけたものだから、つい杖を忘れてしまった。 相当に気に入っていたので、今日はその杖を探しに行くのである。 忘れた場所は小菅村側のはずで、仕事道がぶつかるところ辺りと踏んでいた。 ただ歩くのもなんだから、ついでに釣りをしながら上って行って、あわよくばそこに杖がある、希望的観測である。

今日は平日なので、ゆっくりの出発しても、釣り人は少ないはずで、さらに目的は杖なので、別に釣れなくても良いのである。 後半は防御線ではあるが、まぁまぁこんな感じであるのは確かなのだ。 さすがに釣り人の車は少ない。 今日であれば、どこへ行っても優先的に釣れそうな、観光の車しか通らない状況であった。 着替えている時に老夫婦の車が2台、雄滝の駐車場のほうへ上って行った。 うち1台がすぐに下りてきたのは、歩きが難しかったのであろう。

最初の小さな最終堰堤は、落ちてくる水も少ないので、淵はとても静かで底まで見えている。 一定の深さはあるが、上を向いている岩魚がいれば、不用意に近づくことは厳禁である。 私にしてはいつになく注意深く近づき、やんわりと右側に毛鉤を落とす。 変化がないので、二度ほど誘うと、底から岩魚が現れて毛鉤を咥えた。 小さな岩魚、19cmである。 今度は左に振り込むと、毛鉤が落ちたとたんに「かぽっ」と口が出てきた。 これも小さな岩魚である。

私にしては上出来のスタートである。 しかし最初の滝までは、小さな岩魚3匹しか出てこない。 やっぱりある程度の水がないと、岩魚も棲めないのだろう。 そしてその淵も、いつの間にかなくなっていたりするから、岩魚も大変である。 取りあえず、葉が落ちれば林道からも見える滝まで釣り上っていったが、岩魚は出てこず、景色(流れ)が変わっているのが、どうもよくない。 大物がいるという噂の滝壺まで行こうかどうか迷ったが、今日は杖を取りに行かねばならないので、素直に戻って仕事路で滝の上へ向かう。

渓へ再び下りて、次の滝まで僅かな距離を遡る。 その間15~16cmの岩魚が4匹出てきたが、大きなものは出てこない。 大物が出ると思ったところからも小さい岩魚しか出てこなかった。 これはおかしい、絶対いるはずだと毛鉤でしつこく叩くと、やっぱり口が出てきた。 またしても小さな淵で大暴れしながら、これは私のことでもあるが、やっと取り込む。 色もよい岩魚で、27cmである。 このくらいの大きさで色の良いものが出てくると、ほんとに充実した感じになり、今度は周りの景色が気になってくる。

目の前に見えている滝壺には、きっと大物が潜んでいるに違いない。 そこに毛鉤を落としたことはないので、本当にいるかどうかはさて置いて、一度は探ってみたい。 と思っても、私の力量では無理なので、さっさと左側を登って、滝を越えていき、無理やり下りていく。 ここからは完全な山葵田の跡となり、余り振り込むべき場所は見えない。 加えて蜘蛛の巣が多くて、一度竿を振ると、竿もラインも雲の巣だらけとなる。 何とか、このような状況を打破する道具はできないものだろうか。

ずっと釣れない状況が続いている。 狭い通らず、多少水に濡れながら真っ直ぐ通過・・・しようと思ったが、1mの落ち込みに登った時に、2m位先にいい感じの流れが目に入った。 落ち込みの上に立ち、3m位先に毛鉤を巻き落とす。 1m位を流れる間に、ピクッと反応があったが、竿を立てる状況ではない。 目の前なのだ。 もう一度、上手くいかない。 もう一度、「いったいった」と思う間もなく毛鉤を咥える反応があった。

今度は勢いよく竿をはね上げ、その反動で合わせる。 慌ててラインをつかみ、網で掬うように捕獲する。 立っている場所も1mくらいしかないので、窮屈な状態で岩魚を眺める。 22cm、おなかの色がとっても良いもので、この流れの生を感じたものだ。 まぁ、今日は杖を探しに来ているので、たらたらしてはいられない。 さっさと先へ行こうと思っても、中間地点で全く岩魚が相手してくれなかったために、少しでも反応があると執念深くなってしまう。 まだまだ修行だ!

この辺りの流れは、淵は淵、流れは流れとはっきりしていて、そのどちらも白泡のない、あっても僅かな範囲である。 岩魚は餌を見定めるのに慎重になっており、私の毛鉤を自然に見せると、ほとんど反応がない。 こういう時に「餌」と思わせるFLYが欲しくなるが、持っていないのだからしょうがない。 大きな逆さ毛鉤を落とし、ピクッピクッと動かして、少しでも虫のように見せると状況は変わる。 長い間釣れなかった後に、立て続けに、岩魚が底から浮いてくるのであった。 それは、それは、興奮ものである。

本日、釣りの最後の二股までやってきて、そのまた最後の滑の淵に毛鉤を落とす。 動く魚影が見えたので、ピクッと毛鉤を動かすと、魚影は水面を割って飛び出した。 小さい淵に上がり、なかなか取り込めない岩魚との格闘を楽しむ。 その間にも、もう一つの魚影が行ったり来たりしている。 もしかすると、この網で淵をさらえば二匹とも捕えることができるかもしれない、と思うほど小さい淵なのである。 横道に反れたが、やっと網に入れたのは27cmのやっぱり色も模様もいい岩魚である。

こんなことをしている場合じゃない、と思ったのは竿が振れない流れになってからで、慌ててザレ場を登り仕事路に上がる。 このザレ場が、ずっと上でノーメダワへの道を壊しているもので、これからそこまで登るのである。 仕事路は尾根からの道に出合うまでずっと登りで、じめっとした高温の森では汗が噴き出して、水を飲んでも効果がない。 へとへと、くたくた、釣りをするんじゃなかったと理由を考えて歩き、やっと仕事路の出合いまでやってきた。 ここにあるはずの杖はなかった。

とりあえず、この上の分岐まで登ってみたがなかった。 私の感違いか、もう少し上まで行かないと、もしかすると尾根を越えないといけないのかもしれない。 今日は諦めるということで、林道まで下っているが、どうも一週間前の道と感じが違う。 しばらくすると、その感じの違いが分かった。 路が整備されているのである。 落石がなくなり、歩きやすい平坦な道になっているのである。 もしかすると、その時杖(木の枝)も整理されたのかもと思ったところである。

まぁ、今回駄目だったので、次回気分が乗れば、尾根を越えてみようと思う。















Posted by tenkara1nen at 22:50│Comments(0)
│小菅川