2016年05月08日
遠すぎる滝
5月6日 妙見五段の滝を目指しても、私の足(釣り方、沢歩き)では辿り着かないのだ。

今日は平日である。 小菅村は宴(多摩源流まつり)の後なので静けさを取り戻したはずである。 散々叩かれたであろう流れがどうなっているか見るためにも、釣り人がいなくなった流れを歩くのである。 できれば、妙見五段の滝まで釣り上ってみようと思っている。 まぁ、歩くのが遅いので、行けるかどうかは腰次第である。

思った通りの展開である。 源流まつりのときには、車が溢れていたキャンプ場や駐車スペースには、一台の車もない。 集落を抜けて源流域へ入っていっても状況は変わらず、一台の車もなく顔がほころび、心では「今日の小菅川は私のものだ!」なんて思っている。 昨日と同じように尖った石に注意しながら、私の目指す場所までやってきた。

なんと、なんと車があるじゃあ~りませんか。 横浜ナンバーの車で、絶対に釣りだと、肩を落とす。 それでもとりあえず、その車の後ろに付けて、置かれている状況を考え直す。 すると、車の後ろには渓流靴が干してあることから、車の主は寝ていると判断する。 昨日から来ていて、疲れすぎているに違いない。 どこを釣ったか気になるところだが、気分を切り替えて渓へ向かう。

いつも使う道は、釣り人が作った路で、年々尾根に向かっていく。 それほど崩壊が激しいのであり、崩れ落ちる恐怖と戦いながら歩かなければならない。 流れを見ると、水面は静かなところが多く、流れは平水のようであった。 深場が多くなっていると判断し、これからの釣りが楽しみになってくる。 まぁ、得てして静かな水面は、静かなままの場合が多いのだが。 問題が一つ、一眼レフカメラがうんともすんとも言わないのだ!

岩魚が棲み付く場所はほとんど覚えている。 ただし、テンカラを振れ、毛鉤を落とせるところに限られる。 川の流れは生き物のように、一雨ごとに変わり、岩魚は埋もれることもあるのだろう。 そして、居場所が変わっていくのである。 ただし、深くて石があると、まず岩魚はいるのである。 それが小菅川の上流であり、ほうらやっぱりいた。 まずは20cmの岩魚である。

今日は先が長いので、堰堤まではそこそこに竿を振ろうと思っていたが、反応が良過ぎるので欲望に負けてしまう。 この区間では22cmの岩魚が一番大きかった。 岩と白泡の流れに挟まれた場所をしつこく狙って、思った場所に飛んで行った数度で引っ張り出すことができた。 あまりテンカラの釣りとは云えないかもしれないのであるが、最近はこれも私のテンカラの型と割り切っている。

時間がかかり過ぎたので先を急ぐ。 羽虫が多く飛び回り、ライズが見えた淵があった。 ここなら飛び出すのではないかと、毛鉤を静かに落とす。 しかし、意に反して、水面では反応がないので、仕方なく沈めるようにラインを緩めて流すと出てきた。 これも22cmである。 この時期、だいたい同じようなサイズになるのだろう。 もっと多くの餌を食らっている岩魚に合いたいものだ。

通らずを抜けるのは、恐怖を味わうようになった。 右岸を巻いて、再び流れに下りるときの場所が、年々崩壊していて、今回は新しい崩壊が起こっていたのだ。 下から崩壊しているので、上の岩が残っている状態は、いつ崩れるのかと恐怖を感じるのである。 そんな場所はとっとと抜けるに限るが、足でも滑らせたらと、ゆっくり急ぐしかない。

その岩壁の下に淵があり、いい具合に左右に巻き返しがある。 ここで岩魚が出た記憶はあんまりないが、いるのは間違いない。 ここにいなければ、岩魚の棲む場所がないからである。 まずは右岸に振り込む。 一発で咥えたのが分かったが、飛び出すことはなかった。 21cmで、まぁ普通の大きさである。 そしていよいよクライマックスの左岸の大きな巻き返しの石の下を狙う。 これまた見えなかったが、一発目でラインがとんでもない速さで引き込まれたのである。

慌てて竿を立てるものの、竿が立たない。 竿は曲がったまま動かない(ちょっと大袈裟)のである。 強い引きに、逃がしてなるものかと淵に入り、じわじわ竿を立てて引き寄せる。 何せ今日はバーブレスなので、いったん緩めてしまうと危険なのである。 糸を張ったまま網を出して、網に入れようとするが、岩魚は走り回り、なかなかうまく入らない。 逃がしたら一生の不覚(これも、ちょっと大袈裟)と近づいた岩魚に、網を持っていってジャブッと掬った。

網に入れた岩魚は、29cmもの大きさがあった。 何度も、何度も測り直したが、どうしても30cmに届いてくれない。 それでもヒレを伸ばして・・・ やっぱり超えない。 いや、もう一回測って・・・ 越えない。 ・・・ ・・・ でも、尺を釣ったと云ってもいいよなぁ、いやいや尺ではないので・・・ 尺近い岩魚は非常にうれしいが、尺を越えないことが非常に悔しい。 人の心とは、勝手なものである。

仕事路が上の方に見え始める辺りからは、ほとんど反応がなく、朽ち始めた山葵小屋の上まで続いた。 その間、当然飛び出す岩魚はいなく、15cmの岩魚一匹と外された岩魚一回で、さっきまでの反応の良さがどこかへ行ってしまったようだった。 意を決して、今まで使っていた毛鉤を白い羽虫の形のものに取り換えた。 あんまり好みではないが、昔遊びで巻いたものである。

余りに釣れるものだから?、昨日と同じように時間がどんどん過ぎてしまい、すでに二時を回っている。 大きめの岩魚も出てきたものだから、写真を撮るのも、メモを残すのにも時間がかかっているのだ。 こういうのを嬉しい悲鳴というのかな~ 妙見五段の滝は、まだまだ先にあるのだ。 これでは到底辿り着かない。 たとえ辿り着いても、下りてくるころには真っ暗になってしまう。 私の足では鳥小屋沢の出合いまでである。

取り替えた毛鉤では、ぱんぱんと再び岩魚が出始めたのだが、4匹釣ったら壊れてしまった。 最近巻いた斑模様のハックルの逆さ毛鉤を選び結んだ。 これが最後の毛鉤である。 非常に良好な、魅力的なものなのか、岩魚は喜んで出てくる。 しかも大きめの岩魚ばっかりである。 そして、今日最後と決めた3mほどの出合いの落ち込みにやってきた。

水は少なめに見えて、水面が静かで広かった。 その静かな水面からは23cmの岩魚が出てきた。 とても綺麗な小菅の岩魚で、これで雨の中の釣りも終われると思った。 すっと落ち込みに背を向けたとき、ムズムズッとしたので、最後の一投を考えた。 落ち込みの流れに毛鉤を巻き込ませ、数度誘うと「ずん」と竿が曲がった。 非常に重くなかなか寄せられなく、やっと網に入れたときには、これが尺だと思った。

いざ最後の岩魚を計ってみると、28cmでまたもや尺には届かない。 またしても何度も計測する羽目に陥ったが、当然のことながら何度測り直しても岩魚は大きくならなかった。 太さがあったので重量があり、引きが強かっただけである。 ん~~ もう少し上へ行くか~ 無理、無理、もう下り始めないと・・・ 迷いながらも、雨の中下山開始。 終了である。

やっぱり滝まで行けなかった。 毎年、滝まで行くのに回数が必要である。 達成するには、竿を出さずに歩けば簡単、なのに誘惑に負けてしまい結局辿り着けないのである。 私には、滝が遠すぎる。
とりあえず昨日は家の用事で一日中てんてこ舞いしながれも終了させて、今日は釣り券購入が必要な真木川へ行ってきました。 やっと真木川上流の状況が分かりました。 その話は後日。

















Posted by tenkara1nen at 20:00│Comments(0)
│小菅川