テンカラ渓流一年生の旅

　この木はなんだかおかしい。

　連休の計画中です。　女房と・・・一人で釣り・・・実家が地震で・・・母親が入院していて・・・　計画中です。

　そろそろ若葉が見えだす頃、釣りに高じて、腰の痛みに耐えながら、林道を下っていた。　たまたま野鳥が出てきたので、その場で追いかけるものの目の届かなところへ飛んで行ってしまった。　残念がりながら林道に目を移す時、わずかに緑のある、色のない世界に橙色のものが見えた。　木の肌が下の部分だけ黒く、その黒い肌から橙色の樹液のようなものが垂れてきている。　非常に気持ちの悪い光景で、近づくことは躊躇われた。

　恐らく木の皮は鹿か何かに食べられたのだ。　そこから樹液が垂れて・・・もしかすると漆かもしれない・・・意識して見たことはないのだが。　でもいったいこの液体は何だろうか。　まさか林道工事のときに、ペンキを捨てたってことはないだろうか。　場にそぐわない、とても気持ちの悪い光景であった。