テンカラ渓流一年生の旅

　2024年3月16日　一之瀬集落内の釣りに行った。　道が危なく、出てくる山女は小さいものばっかりであった。　期待外れも今後が楽しみである。

　丹波川解禁二日目は、解禁日よりもっと暖かくなるというので、多摩川最奥の一之瀬川でも大丈夫だろうと行くことにする。　それでも標高が1,300mくらいあるので、それなりに寒くて、雪は残っていることだろう。　昨日のように上着を忘れるようなことは絶対にしてはいけない。　起きて早々に上着を着てから準備してフィットに乗り込む。



　気温は7℃なので今日は暑くなると思っていると、多摩川源流が近づくにつれ気温は下がり、とうとう0℃になった。　見える山々は白く見え、雪が残るのがよく分かる。　標高も高くなってくると、晴れても雪は解けず、そもそも日が当たらない場所も多いのだ。　林道に入るとそれが現実になってくる。



　林道には全く雪がないと思っていると、あるところから両脇に雪が残り、幅が狭くなっている。　雪がなくなって良かったと思えば尖った落石が多くなり、はては大きな落石があって、慎重な運転が要求された。　石楠花橋の手前では路面が美しく凍り付いていて、ハンドルを取られないように惰性で通過する。　なかなかスリリングな林道である。



　集落に入って橋の袂にフィットを停めて、橋の下を見て回るが魚影はない。　以前はここに放流されていたのに、もうしていないようだ。　夏用の上着を着てきているので、体は冷え切り、寒くてしょうがない。　暫く車で暖を取っていたが、気温は0℃から一向に上がらない。　出られなくても着替えなど準備は車の中で済ませて、30分くらいでやっと流れに出ていく。　寒いね～



　入渓したところで15cmの山女が出てきで、中瀬川出合では20cmの岩魚が出てくる。　なかなか調子がいいかもしれないと思っても、出てくる山女はほとんどが15cm程度である。　流れの脇で山女は出てくるが、水面を割るものはなく、水中でただ咥えているだけなのである。　感覚を研ぎ澄ませないと当りが分からないのだ。　随分外したことだろうことは、釣り落した山女の数からも分かる。　特に小さいものは私の技術と毛鉤では難しいのだ。



　キャンプ場の脇の流れを進んでいるのだが、整備（木々の数、枝打ちなど）が行き届いているせいか、雪が大量に残っている。　流れは脇に笹があるので、ほとんど解けている。　雪景色は大好きで、短い区間なら心地よく歩くことができる。　これで大きな渓流魚が出てくれば最高なのだが、如何せん小さいものばかりである。　しかし、いつもならキャンプ場に渡る橋のあたりは放流されるので、そこが狙い目だろう。　頑張るぞ～



　キャンプ場に渡る橋が見える明るい場所にやってきて、期待してあっちこっちに毛鉤を落しながら進むが、期待外れである。　いい場所があまりないし、橋の上流のいい場所も埋まっているところばっかりで、毛鉤を落しても山女の影も形もない。　釣られてしまったか、放流されていないかであるが、解禁日翌日に釣り切られるとは考えたくないので、放流されていないと考えるべきか。



　岩魚なら出てきそうであるが、肝心の場所が少なすぎて、テンカラで引き出せる場所がない。　しかも竿を振りやすいところは浅瀬で、竿が振りにくいところに石があるので、いないだろうとこばかりに毛鉤を落すことになる。　これじゃぁ釣られない！　17cmの岩魚がやっと出て、15cmの小さな山女が出たところで、本日の釣りは終了する。

　最も大きかった渓流魚は、岩魚が20cm、山女が19cm、各々たった一匹である。　今年の一之瀬川は大丈夫かと心配になってくる。　餌釣り師と出合ったので話をすると、全然釣れないと云い、釣れても小さなものばかりと云う。　今年は放流されていないという一致した意見で話は終わる。　そもそも成魚放流の場所はあまり釣りたくないので、関係ないのだが・・・