2023年05月28日
歩けば釣れるはずが
2023年5月24日 歩けば釣れると思って林道終点まで歩いたが、後続者に追われ、先行者が下ってきて、全く駄目な釣りだった。 小菅川の上流部である。

先日小菅川の上流で釣りをしようと2km余り歩いた。 とても気持ちの良い釣りと景色だったので、もう少し歩けばもっといい釣りができ、いい沢の雰囲気にも浸れると考えた。 そこで、小菅川の最上流部の入口まで3km余り歩くことにして、今年まだ見ぬ山葵小屋の先まで、できれば妙見五段の滝まで行くのだ。


問題は二つ、ゲート前に車がないこと、山葵小屋まで竿を出さず歩いていくことである。 さて、白糸の滝駐車場に到着すると、車は一台しかないので胸を撫で下ろす。 しかし、その運転手、釣り人が同じところへ行っていなければの話である。 これは第一の問題クリアか? 深呼吸してドキドキしながら歩きだす。 途中ショートカットして林道を離れて、50分弱で林道終点に立つ。


相当に疲れてしまい、ここから山道へ上がる元気、気持ちがなくなってくる。 しばらく悩んで、早く竿を振りたいと最終堰堤に向かってしまい、二つ目の問題はクリアできなかった。 早く遡行すれば同じことだと思い直して、竿を振り始める。 そして、流れに下りたところの下で早速20cmの岩魚が出てきたので、今日はいいかもしれないと浮き立つ。

最終堰堤を登って、さぁここからだと気合を入れ直す。 下りてから最終堰堤までにたったの一匹しか岩魚が出ていない、それも下りたところより下流側でのことなので、どうも納得いかないのである。 おかしいので、少し丁寧に振り込んで岩魚の引き出しを試みるも、私の毛鉤を好むものはいない。 おかしい!


岩魚はどうしたのかと考えながら下流を見ると、なんとルアーマンが追ってきているのが見えた。 このままだと追い抜かれてしまい、ますます釣れなくなると考えて、毛鉤の落としどころを絞って、追われるようにどんどん先へ行く。 要は岩魚がますます出てこなくなり、写真も撮らないと云うことである。 それにしても岩魚が出てこない。 もしかすると先行者がいるのかもしれないと、やっと思い始める。

やっと山葵小屋にやってくる。 右岸に石垣が見えているのだが、ふと見たところ釣り人がその陸を下っていた。 装備からするとテンカラか餌釣りだと思えた。 この岩魚の出ない様子から餌釣りではないかと考えて、一気に気持ちが萎えてくる。 だからいいところでは出ないし、小さなところで小さな岩魚しか出ないのだ。


それでも鳥小屋沢出合いまで行こうと決めて、再び竿を振る。 ちょっと弱めでへなへなと毛鉤が飛ぶ。 毛鉤は幸いにしてプカプカ浮いて石の傍を漂う。 するとガボッと毛鉤に飛びついた岩魚がいた。 驚いてしまいピュンと竿を立て、強い引きに戸惑う。 取り込む場所がないのだ! 竿を立てたまま大石から下りて取り込むと、引きの感触と違って22cmしかない岩魚であった。 今日はこれでも大物なのだ!

出合いが近づくと、今度は流れの脇で毛鉤を引き込んだのは、またしても大物の引きである。 じゃぶじゃぶ流れに入っていくと、プツンと針が外れる。 ん~ どのくらいの大きさか、ちらっとしか見えなかったので分からないが、大きかったに違いないのだ(釣り人の話)。 完全に気落ちしてしまい、出合いまで行くことなく終了とする。


釣り人に追い立てられて、釣り人に先行されて挟み撃ち、せっかく2km余りも歩いてきたのになんてこったい。 駐車場に先着したたった一人の釣り人が同じ流れとは、本当についていない。 結局岩魚が9匹で、20cm以上の岩魚はわずか3匹で、歩けば釣れるの話は伝説である。
















Posted by tenkara1nen at 18:00│Comments(0)
│小菅川