2018年01月28日
三頭山で雪山気分
2018年1月27日 22日から23日にかけて降った雪が、奥多摩にたくさん残っている。 最も近付きやすくて、登りやすい三頭山に行って、雪山気分を満喫してきた。

どこへ行こうかと考えているときは、雲取山に行こうと思って、情報を集めた。 雲取山荘と七ツ石小屋の情報から、本格的な雪山になっている模様で、装備の少ない私には難しいと感じた。 しかもノーマルタイヤのフィットが小袖乗越まで私を連れて行ってくれるかも心配だった。 そこで、最も除雪が早いと思われる道にある都民の森から三頭山(標高1,531m)に登ることに決める。

除雪はされているといっても、都民の森の駐車場の標高は1,000mである。 桧原村を抜けるときにアイスバーンが心配であった。 家を出るときは7時を過ぎていたが、気温はまだ-6℃、最近の寒さは堪えていけない。 空調全開で車をあきる野方面を目指す。 あきる野から檜原村へ入ると、案の定、アイスバーンのオンパレードとなり、速度が全く出せない。 しかし、奥多摩周遊道路までくれば、全く障害はない。

土曜日だというのに、都民の森の駐車場はガラガラである。 午前9時と云えば、三頭山から色々に向かうには少し遅い時間でもある。 今日は-9℃なので、山歩きの出足が遅いのであろう。 私の家-6℃、都民の森-9℃、どっちも東京なのである。 ここから500m登ると、どんくらい寒いのか、ぶるっと震えながら準備する。 息も凍るような空気の中、すっと胸を張り、さっと歩き出す。

森林館までやってくると、野鳥が見えたので、少々の時間相手をしてあげる。 暫くして、三頭大滝への路へ入っていく。 道には雪がたくさん残り、思った通り雪山気分が楽しめそうである。 しかし、この辺りに雪はあまり降らなかったのか、除雪された脇で20cmくらいしか残っていなかった。 まぁこの寒さである、その雪がほとんど解けていないだろうと、登りの路を期待する。 程なく三頭大滝である。


三頭大滝は、全面凍結状態である。 凍結した裏側では、まだ水は落ちていたが、表面はすべて凍り付いていた。 始めて見る光景であるが、これも最近の異常な寒さの成果であろう。 今回こそは凍結した滝の勇姿を、しっかりと残そうとしきりに写した。 なんだかどうも、分かる写真になっていないが、これ以上無理と諦め、記念撮影に切り替える。

いよいよ楽しみな雪道になっていくので、アイゼンを付ける。 大滝の上に立つと、真っ白な世界になり、気分はウキウキである。 前を歩く夫婦がいて、足跡が最初でないのは少々面白くない。 まぁ雪が降って3日も経っている都民の森なので、最初から無理なのである。 雪道をキュッと言わせて登り、とても楽しい。


野鳥の気配がして立ち止まるとゴジュウカラがいたりする。 少しだけ時間を使って、ふと気が付くと、辺りに音が全くない。 雪の山は、吸音効果が素晴らしく、少し離れた音はすべて吸い尽くすのである。 雪を踏みしめる自分の歩みしか聞こえない。 なんと静かなのだろう。 尾根までやっと登ってきた。


尾根に上がれば雪も落ち着き、楽しい歩きがもっと楽しくなる。 緩やかな上りで、両側が落ちているので、周囲を眺めながら歩けるのだ。 冬枯れの機微の間からはお約束の富士山が見え、早く頂上に行きたくなる。 今日はいい天気なのだ。 何故だか今日は疲れない ・・・ ような気がして、一気に山頂まで登ることができた。


はぁはぁと息は切れていても、まずは富士山を見なくてはいけない。 真っ青な空に、白い富士山が見えていた。 富士山はいつ見ても、心がすっきりするのが良い。 一通り見た後、山頂に一人だけいた登山者が下山した。 山頂は独り占めとなって、リュックを下ろす。 北側の石尾根が見え、雲取山も近くに見えている。 雪が残る尾根は、いつも見る山際と違うように見える。 空が青いのだ!


昼飯用の湯を沸かしていると、登山者が二人登ってきた。 そのうちの一人、山ガールが近づいてきて、シャッター押してくれという。 いいですよと云うと、徐に上着を脱ぎだして、おいおい ・・・ シャツに書かれた「週末は山にいます」を写してくれという。 山梨には、「週末は山梨にいます」、という幟があったが、そのもじりだろうか。 彼女はすぐに上着を着て、富士山を目の前に食事をしだした。 先に下山する。

再び雪道を楽しみながら、下山していく。 下山は尾根筋が多いので、風をもろに受け、とても寒い。 登ってくる登山者は一人もおらず独り占め、ただの一羽の野鳥もおらず寂しい、しかし雪道が楽しいのだ。 風のない日の当たる斜面は、残念なことに雪がないが、そんな場所は少ない。 尾根筋を諦めて、途中から野鳥観察小屋へ下りることにした。


尾根から野鳥観察小屋への路は、歩く人が少なく、足跡が人しかない。 その分、脚を下ろすところを間違えると、とても危険である。 まぁ、危険とはいっても、注意すればどうっていことないので、慎重に足を下せばいいだけである。 杉林の中を、サクサク、ズルッと下りていく。 野鳥を探したり、岩場から景色を眺めたり、のんびり歩いているものだから、先輩夫婦に追い抜かれていく。

野鳥観察小屋へやってくる。 これまでに、ここで野鳥を見たことは一度もなく、今日も嫌な予感である。 山頂から、ただの一羽も野鳥を見ていないのである。 果して、とっても静かな景色を、ただただ眺めていた。 やっぱり今日も野鳥に出合えない。 この場所には、いつ来ればいいのだろうか、私が釣りに高じているときが一番いいのだろうか、考えてしまう。

登った時の路に出て、再び雪を楽しんで下りて行った。 久しぶりに、雪と戯れることができて、非常に楽しい一日であった。




















Posted by tenkara1nen at 23:20│Comments(0)
│山歩き