2017年01月22日
酉年は黒川鶏冠山
1月21日 雪が降ったという情報なので、気楽に雪山体験できると思い、黒川鶏冠山に行ってきた。 気楽ではなかった。

昨日は東京でも雪がちらちらしていて、どうも山では雪が降ったようであった。 あまり大雪との情報はないので、気軽に雪が楽しめそうだと、柳沢峠を目指した。 街の気温が0℃なので、少々山の気温が気にかかる。 予想は、その前に覆ることになる。 丹波山村の街を抜けると、残雪が目立ち始め、国道の雪は凍結していた。

車が滑り始めて、ハンドル操作が効かない。 空転防止装置が動きっぱなしであり、速度は全く出せない。 途中で景色を写した後は、発進できなくて困ったりもした。 どうにかこうにか、峠に辿り着き、市営駐車場に車を入れる。 スタッドレスの車が2台、雪の上に駐車していた。 その横にゆっくりと雪を踏みしめて、駐車した。

気温は-7℃、寒い! 雲は少々あるものの青空には違いない。 あまりに寒いので、出発を暫く躊躇していたが、カケスに誘われ意を決して歩き始める。 国道を渡り、滑る階段を登って、登山の開始である。 雪道は踏み跡によりくぼんでいるので、道を外すことはない。 しかも先行する足跡が1つあるので、なおさらである。

雪道は楽しい。 先行する登山者の踏み跡の間隔が、私より少々広いので、辿るのは疲れる。 かといって、踏まれていないところを歩くと、これまた疲れる。 そして、だらだらの登りもよくない。 しかし、雪を踏みしめる音しかせず、白と黒の世界に、先行する登山者と二人しかいないのである。 雪道は楽しい。


先行者の踏み跡は、水源の森・ブナの森に消えていき、ここからは新しい踏み跡はない。 苔が綺麗だと評判の渓は、雪にすっぽりと覆われて、緑は見えない。 足元には気を付けないと、ずぼっと踏み抜きそうな道である。 短い距離にもかかわらず、やっぱり雪に慣れていないのだろう、時間ばっかりが過ぎてゆく。 六本木峠である。

仕事路にはロープが張られ通行止め? 丸川峠方面は明るくて気持ちがよさそうなのに、私が進む黒川鶏冠山方面は暗くて寒そうである。 実際、踏み出していくと、だんだんと風が強くなり、体感温度も下がっていたことだろう。 何せ、汗をかくほどの登りは、ここまでないのである。 さぁ、林道までの下りである。


林道まで下りてくると、雪がたっぷりと残り、踏みしめることが楽しい。 轍の上にも雪が積もり、きゅっきゅと踏みしめる音が楽しい。 べとべとの雪ではないのがよくて、10mほどのわずかな林道歩きに時間をかけてしまう。 子供じゃねぇ! 雪は楽しいねぇ。 山道にはロープが張ってあったが、この辺りに道はここしか見えないので、跨いで進む。

ここからが問題であった。 何せ、ずっと登りなのである。 急登ではないが、平坦でもない。 20cm以上沈むところもあって、なかなか疲れるのである。 景色が見えれば、少しは疲れが取れるのであるが、木々の隙間から大菩薩嶺がちょびっとしか見えないのだ。 雪にも飽きてきたのか、ずぼずぼ進む雪道が楽しさを越えて、苦痛になってきた。

道が明るくなってくると、間もなく黒川山である。 道標には黒川山とあるので、この平坦なところが頂上かと思った。 その標から南に進んでみたが、雪が深いだけで見晴しはなく、下り始めたので戻った。 それではと、鶏冠神社方面へ向かう。 この道は、最後の方が岩場となり、加えて雪が残り非常に危ない。 慎重に登って行く。

山頂に到着である。 鶏冠神社には、鶏冠山(黒川山)とある。 この山の名前は、黒川山、鶏冠山、黒川鶏冠山、標には鶏冠山(黒川山)、いったいどれが正しいのだろう。 まぁ、鶏冠山というのが山梨にはあるので、ここは黒川鶏冠山ということにしよう。 展望が素晴らしく、北側の樹木は風を遮り、とても穏やかな胸のすくような景色である。 目の前に大菩薩嶺が見えるのもよい。

神社にお詣りして、社の後ろへ向かい思いっきり景色を堪能する。 ただし雪がたっぷり残ったその向こうは断崖絶壁なのである。 神社の前に戻り、昼食タイムとした。 湯を沸かしカップ麺を作るが、そのカップ麺がすぐに冷えてしまうほどの寒さである。 ふうふうしなくても食べられるのである。 気温は低くても、青い空と陽射しが和らげてくれるので、カップ麺も美味い。。

ずっとここにいたかったが、すでに3時間近く費やしているので、そろそろ戻らなければ日が落ちてしまう。 再び注意しながら岩場を下って、黒川山の道標まで戻ってきて、今度は見晴らし台の方へ行ってみる。 黒川山の三角点は見送って、見晴らし台へ直行である。 尾根を進むのは気持ちが良いもので、雪道も野鳥の群れとの遭遇で、なんのその。

程なく見晴らし台へ到着する。 尾根に少し突き出した岩場であり、東側は見えないが、他の方角が見渡すことができる。 雪が残った奥多摩の山々、国師ヶ岳方面、そして大菩薩と富士山、雲がかかったところもあるがよく見える。 やっぱり遮るもののない場所は気分が良く、近場の山を上から見られるのも新鮮である。 ここも長居したいところである。

岩から下りて、そのまま尾根を下って行こうと考えて、少し進んでみたものの、路らしきものが見えないので止めた。 雪の残る尾根は、その下がどうなっているのかわからないからである。 路らしきものが、もう少しはっきりわかれば進んだかもしれないのだが・・・ 再び黒川山の道標まで戻り、今度は本当に下っていく。 登りと違って、下りるのは早い。

車に戻ったのは4時過ぎ、夕暮れ時である。 気温は、来た時とあまり変わらずー6℃である。 一日中寒い日である。 いざ車を出そうとすると、駐車したときの恐れが、現実のものとなる。 車が動けないのである。 来た時に車に付いていた雪がタイヤの後ろに落ちて凍り付き、タイヤが固定されているのである。 苦労して前輪を固定している氷を取り除いたのだった。

もう少し着るものを選択しないと、寒くて行けない。 あんまり着るものへの執着はないが、暑さ寒さだけは体のためにも守らなければならないようである。 また、交渉が必要になる。 気が重~い。
















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Posted by tenkara1nen at 22:55│Comments(0)
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