2015年11月23日
牛奥ノ雁ヶ腹摺山辺りを
11月21日 大峠から、牛奥ノ雁ヶ腹摺山、小金沢山を散歩した。 疲れた~

目が覚めたのは4時前であった。 目が覚めたと云えるかどうか、頭が痛いし起き上がるとふらふらするのである。 仕方がないので、ふらふらしながら珈琲を沸かし、テレビを見ながらすする。 少し酒を控えないといけないと考えながら、結局車に乗ったのは5時近くになってしまった。

昨日も今日もテレビは、「今日は天気が良いが、夕方から天気が下り坂」、だというので、富士山を観に行こうと決めていた。 山の選び方は難しいが、今年釣りに行った真木川の釣りに絡めて、林道終点の大峠からの山歩きを選んだ。

天気が良いとはいっても、雲は垂れ込んでいるところもあった。 まだ暗い中でもあるし、運転には気を付けてぐんぐん高速道路を進む。 調子よかった進みも、相模湖辺りでは霧が深くなり、とろとろの進みしか許してくれなかった。 まぁすぐに大月になるので、イライラする時間は少なくてよかった。

真木温泉を過ぎると青空が広がり、陽はだいぶ上ったようであり、山々が赤く染まっていくのが見事である。 落葉松の林に当たった朝陽は、絵の具を塗ったかのように橙色に光っている。 目を転じると、富士山が見えている。 大峠も近くなって展望できる道になった。

すぐに大峠(1,560m)に到着する。 ここまで車は一台も出合っていなかったが、駐車場は満車に近い。 私の目的の山の東にある雁ヶ腹摺山へ向かう人が見受けられたので、そっち側に人は多そうである。 大峠からの景色を堪能した後に、静かな山歩きを楽しめそうな登山道に踏み込む。

暗い登山道は、湿っており滑りそうだったので、下りのことが気になりながら登った。 思いもよらぬ急坂で、すぐに息切れ、富士山が垣間見えて力をもらい、陽の当たる場所まで登る。 赤石ノ丸(1,792m)まで200m余りの高低差なのに、もうへとへとである。

登山道に踏み出して一時間半くらいで黒岳(1,987m)に到着する。 展望は全くなかったが、疲れがひどいので、青空を見ながら写真を撮ったりして、回復を待った。 あまり時間を費やしたみたいで、同じ路を登って来た老夫婦に追いつかれた。 彼らは、私と反対側へ向かって行った。

いったん下りまた登る。 道には倒木が多く歩きづらく、下りはさらにつらい。 下りきると目の前には、当然のごとく登りが見える。 これを登れば牛奥ノ雁ヶ腹摺山だと思い、頑張って頑張って足をあげた。 薄の原は気持ちが良かったが、遠く山並みが僅かしか見えていないのが残念であった。 到着したのは、意に反して川胡桃沢の頭(1,940m)である。

富士山がすっきりと見えていた。 何もない頭ではあったが、その景色は私の望むものであり、ここまでの疲れが飛び気分爽快となる。 ちょっとだけあった薄も併せて記念写真を撮ったのだが、肝心の私の姿が写っていなかった。 確認すればよかったのだ。

再び下りに下って、また薄の原までやってくる。 今度目の前に見える高台は、疲れた体にはとてつもなく疲れそうな高さに見えた。 今度もまたへとへと、もう無理と思いながらも、「もう少し、もう少し」、と言い聞かせながら登った。 (もう少し高低差のない山で、もっと体を鍛えないと、釣りにも行けなくなる)

登り切ると、今度こそ片仮名以外で日本一長い名前の山頂、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1,990m)である。 南側の展望は素晴らしく、当然のことながら富士山がはっきり見えていた。 ここで出合ったおじいちゃんと話すと、大菩薩峠から来たと云い、これから車を置いてきた上日川峠まで戻るという。 素晴らしき元気さをとても羨ましく思ったところである。

あとから登ってきた登山者は二人で、相当に時間差があったはず、と思い自分の歩みの遅さを痛感した。 一人は先に云ってもらい、その後を追うように、再び下っていく。 笹の中を歩く、これまた下りに下る。 膝が痛くなるのを恐れて、路の脇で佇んでいると。 山が揺れているのに気が付いた。

地震かと思い、しばらくその場にいたが、揺れは一向に収まらない。 もしかすると、この稜線の下をダム間を流れる水が影響している、それとも地下発電所のタービンの揺れがここまで届いているのか、少しだけ嫌な気分になって、その場を離れる。

もう嫌だ、もう嫌だと思いながらも、必死になって足を動かして、坂を登り続ける。 「見えた」 見えてしまうときが抜けるというのか、一気に疲れが押し寄せてきて、さらに歩みが遅くなる。 そしてやっと、やっとである。 小金沢山(2,014m)に到着である。

山頂には二人の人が休んでいたが、そのあと続々と登山者が現われた。 山頂からの景色は素晴らしく、花の木説であれば、もっと素晴らしいに違いないと思えた。 富士山だけでなく、霞がかかったような富士山までの空間は、低い山がグラデーションのように見えて下り、これも素晴らしい。

人々に、「素晴らしいですね!」、「晴れていてよかったですね!」、と笑顔で会話すると疲れが取れるというものである。 昼食のカップ麺を作り、のんびりと景色を見ながら食べる。 あまりの疲れとそれを癒す景色、満腹感で40分くらい山頂にいた。

腰がなかなか上がらない。 車まで下る、いや下り登り、下り登り、そして下って登って、下って下る、のである。 とても気が重く、ここにいたい気持ちが大きくて、なかなか下り始めることができないのである。 すでに写真の数も極端に少なくなっていたが、ここからはもっと少ない。

四苦八苦しながら、休憩を随所に入れて、その時間も長くなり、最後の下りまでやってくる。 大峠の駐車場への急坂を下る前に、最後の休憩を取る。 陽が傾き始めた中に、富士山がよく見える場所である。

しかしこれが良くなかった。 ここまで水を飲み過ぎたのか、一度リュックを下ろして座り込むと、もう二度と立ち上がれないのではないという感じになった。 膝を伸ばそうとしても、伸びなくて、両手で支えてやっと立ち上がったのである。 どうしようか迷っても、下るしかないので、登る速さと変わりないくらいゆっくり下っていった。




車に到着したのは、登り始めから7時間20分後であった。 これが、体力、気力の鍛錬になったのであればよいのだが・・・ とにかく疲れた山歩きであった。
明日は、小菅川に釣りに行くのだと、早々に車に乗って帰路に就く。
























明日は、小菅川に釣りに行くのだと、早々に車に乗って帰路に就く。

Posted by tenkara1nen at 12:30│Comments(0)
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