テンカラ渓流一年生の旅

　2024年4月21日　昨日は雄滝上、今日は雄滝下を釣った。　思ったより足の張り、疲れが溜まっているようなので、時間がかかる釣りになった。

　昨日言った雄滝の上が好調だったので、雄滝の下もよくなっているのではないかと思って出かけることにする。　フィットからすぐに釣り始めて、雨になればすぐに戻られる、そんな釣り場を求めている。　なら、管理釣り場でいいじゃないかと云う声もあるだろうが、やっぱり渓流がいいのだ。　最も近い小菅川で昼前までにする。



　計画は計画で、とりあえず昨日の地点まで行って、釣り人がいるのかどうかだけ見てみよう。　もし空っぽだったら山葵小屋まで釣ってみようかなどと色気を出したのだ。　いざ行ってみれば車が二台あった。　それも昨日の車と同じなので、昨日の沢登りが大菩薩峠に泊まったのだ。　余程釣ろうと考えたが、天候と体力が気になって計画通りとする。

　雄滝遊歩道近くにフィットを停めて、石垣堰堤の上に下りる。　水量が丁度よくなっているので、毛鉤の落としどころがたくさん見える。　その場所から岩魚が出るのかと云えばそうではなく、ただ毛鉤を振り込みやすいというだけである。　思うのはきっといるのに引き出せないだけだと思う方が、小菅川への期待が高まる。　いつか引き出すぞと思えるのである。



　岩魚は大きくないものが飽きない程度に出てくる。　ここは元々山女の場所なのに、もう出てこなくなった。　惣流しない流れと云っても、過去にはもっと上流に岩魚の発眼卵を運んだとも聞いているので、そろそろ山女も守った方がいいと思うところである。　岩魚が増えてしまった今では難しいのだろうか？　この日出会った元釣り人が言っていた。　「この辺りはもう釣れないでしょう」　「岩魚がいますよ」と反論。



　余り小さな岩魚もいないが大きな岩魚も出てこない。　みんな20cm前後なので何とか大きな岩魚を目指そうと、深場を狙える場所で粘ってみても小さい。　それなら、石のある流れで、ある程度の深さのある場所を狙う。　毛鉤を流せる区間は短くても上手くいけば岩魚は出てくる。　何度か流してみれば、ギュッと咥えた感触があって竿を立てるとぐっと反抗する。　すぐに姿を現したのは24cmの岩魚である。



　広く深くないと引きを楽しむことはできなく、次に出た24cmの岩魚もまた広さも深さもない。　流れは短く適度な深さ、毛鉤は短時間しか流せない。　なるべく上の流れ込みから、目的の石のある場所に届くように流す。　すると流れるはずの毛鉤が流れず止まるので、ゆっくり竿を立てるとググっと反応があった。　再度流しても同じように地待ったので、今度はキュッと竿を立てればしっかりとかかっていた。

　日向沢出合の淵は有望であるが、今日は難しかった。　期待する場所は流木で塞がれていたのだが、一回だけ無理矢理振り込んでみて、引っかかるのが怖くてすぐに引き上げてしまった。　そこで淵の上に位置して、反対側の綺麗な水面に狙いを定めると、何度目かに岩魚が浮いてきて食えたのだが、一瞬岩魚と分からず反応が遅れてしまった。　この岩魚は、二度と出てこなかった。

　雄滝の滝壺はいい水面になっていた。　最初は左右の滝の落込みが合流する地点を目指す。　あった！　ピンと竿を立てるとビクビクだけで外れる。　二度とないので右岸の落ち込みの静かな水面に何度も何度も振り込んで、落ち込みのすぐ近くで誘っているとチャプッと出た。　期待した大きさより遥かに小さいが、誘い出せたことが重要なのだ。



　計画通り昼前での終了を決める。　まだ時間はあるし、天候も崩れていないので、展望デッキで雄滝を見ながら昼食とする。　場所が悪かった。　デッキの真下が岩魚が浮いてきて外れた場所なので、じわじわともっと釣りたい気持ちが湧いてくる。　我慢、いやもう一回、消化に悪い状態で昼食終了、大人しく遊歩道を戻る。