2023年04月16日
行きたかった渓
2023年4月13日 もう寒さは大丈夫だろうと一之瀬川の最上流へ行ってきた。 氷柱が下がる寒さで始まり、汗びっしょりの戻りとなった。 とっても見たかった谷である。

黄金色の岩魚を釣ったことのある一之瀬川の中川に行きたい。 そろそろ温かくなってきたので、最上流へ行ってもいいころだと考えて先日向かったのだが、生憎車が三台もあって諦めたのだ。 今日こそは行くぞ!

黄砂を除けば天気は上々。 いい天気の三ノ瀬までやってくると気温は2℃で、考えていたよりもずいぶん寒い。 この寒さの中で釣りができるのかと思ったが、燦々と降り注ぐ光の中を歩けば、きっと体は暖かくなるに違いないと考えて、速足で高低差150m近くを一気に登っていく。 そんなことはできないので、現実はゆるゆるとはぁはぁと登った。

二股までやってきて流れを見てみるが、上からでは岩魚の姿は見えない。 右側の滑の岩盤を登って大石を越えれば、いよいよ釣りになる。 体は温まっているものの、一息ついたので体が冷えてくる。 そんな時に目の前にツララがあり、目を疑った。 もう四月で木々も芽吹いているのにだ。


いよいよ釣りなのであるが流れはそんな状況ではない。 暫くの間は浅く砂が溜まり、石が折り重なっており、毛鉤を落せるところはない。 僅かな隙間が巻き返しになっており、少し深くなっている。 上から毛鉤を落して見ていると岩魚が石から顔を出して咥えた。 ピュンと竿を立てるとプツンと毛鉤が抜けた。

渓は光に溢れ、空を見上げればいい天気で気持ちが良い。 太陽はいつものようにも見えるが、周りが霞んでいるようにも、色が付いているようにも見える。 シャッターの羽根から漏れる光を写しても光の筋が見えないのは、やはり黄砂のせいに違いない。 鼻がムズムズするのもそのせいか、いや花粉症である。

最初の滑の流れが現われる。 一番下には深さはないが石があって、だいたい岩魚がいるのだが、今日は砂で埋まっているのか石も見えない。 それでもやっと竿を振られる場所まできたので、何度も毛鉤を落す。 しかし、底がはっきり見える浅場なので、いるはずもない。

竿を振る場所は少なく、毛鉤を落した場所でも岩魚は出てこず、滑の岩盤の先が二股になる。 まずは右の流れに向かえば、二つ目の滑の流れになる。 ここも一番下に淵があり、大きな岩魚がいることがあるので、慎重に毛鉤を落すが反応がない。 今日はなんだか岩魚のいるはずのところにいない気がする。 なんで?

三つ目の滑が現われて東谷の釣りは終わる。 昔の絵地図ではヒガシタニとゴテンサワの二つの名前が書かれているが、別の地図ではさっきの二股の西側が御殿沢になっている。 この辺りは山葵田が広がっていたところなので、その山葵田に名前が付いていたに違いない。 戻って、また山葵田跡の御殿沢に向かう。


この沢はさらに水が少なくなる。 二つの石の片方から水が流れ落ちていて、左の石の下は空いているし、右の石で日陰になっている。 毛鉤は石から滑らせて落し、流れに乗ってくる。 すると、日蔭の石の下から毛鉤を追って太く黒い影が出てきた。 いる! 二度目に同じところを流せば、再びス~と追ってきてクルッと反転した。 大きい!


今日の釣りで初めて定位する岩魚を見つけた。 慎重に作戦を立てて毛鉤を先の方に落とすことにして、柔らかく(竿も柔らかい)竿を振って流せば、岩魚はすっと浮いて咥えた。 まるで山女のような食いつきである。 色が良くて、もう少し生き延びれば黄金色に違いない。 いいね~


だいたい岩魚は日向にいることは少ないものだが、日向で捕食することは多い。 淵は日陰のない場所なのに、どうしても竿を振りたい。 竿が振りにくい場所が多いからか、岩魚が出てこないからか、どっちもかもしれない。 そんな時に思わぬ岩魚が出てくるのだ。 実際白泡から出てきたのは、この日最大の24cmの岩魚だったのだ。 黄色が美しい!

それにしても釣れなかった。 標高1,350mから1,500m辺りまで登って竿を出し、1,700m近くまで釣り上ったのに釣れたのはたったの5匹である。 昨年までとは大違いの岩魚の少なさである。 いないのか、気候か、釣り人が多いのか、考えたくないが私の腕か。 今年もできるだけ来なければならないのと思いながら、汗びっしょりでフィットに戻る。
















Posted by tenkara1nen at 18:00│Comments(0)
│一之瀬川