2019年12月21日
思いがけない景色、倉掛山
2019年12月20日 最近早く起きられないので、軽い散歩のつもりで、倉掛山に行ってきた。 思わぬ景色が見られて、非常に感動した。

平日に疲れてしまい、朝早く起きることもできなくなっているので、一泊の登山に挑みたいのだが、山中での泊り、山小屋での泊りに、どうしても二の足を踏んでしまう。 冬の装備が貧弱、というか持っていないのである。 そうなると、できるだけ高い地点まで車で行って、高低差は500m以下の山をプラプラすることしかできない。 一之瀬高橋の高橋川の上流を散歩することにした。


起きたのは7時、出発は8時ごろとなる。 混雑する青梅街道を進み、やっとのことで高橋川に沿った道に入る。 何度か釣りに来た道を進み、笠取山への登りをやり過ごし、流れの最初の分岐までやってくる。 車を降りて、流れを見ながらも岩魚を探す。 残念ながらその姿は見えなかったので、もう少し先まで車を進める。 道はそのうち轍が深くなり、フィットが腹を擦ってしまったので、中途半端なところで停めるしかなかった。


空は真っ青である。 さすがに谷まで光は届いていないが、歩いているうちに届くようになるだろうと、さっさと歩きだす。 林道には氷が張っているところもあるように、とても寒いのである。 すぐにゲートがあり、それを過ぎると、以前釣り上ってきたところ、とんでもなく立派な林道に出合う。 ここは林道が十字路となり、山道も出合っている。 沢も二股になり、上空は開けている。 私は、真直ぐに進むのだが、いつかはその他の道も行ってみたいものである。



流れに沿って進む林道に橋が見えた。 林道から山路にはいる桟橋である。 ここでも岩魚の姿を探し回ったが、やっぱり姿は見えない。 桟橋を渡ると流れは急に細くなるので、水量もなくて浅い砂底が見える。 その流れを三度ほど渡りながら、沢を登っていく。 程なく源頭が近くなったのか、路は緩い尾根に取り付きながらも沢沿いに登っていく。 そのうち流れも見えなくなって、とっても広い場所に出た。


白沢峠である。 広くて平べったい。 西にはカラマツ林が、噴き上げる風に揺れている。 南北は広い防火帯になっており、歩きやすそうだが、急な坂が私の歩きを妨げる。 林道は、登ってきた谷に沿って共に緩やかに丘を巻くように続いている。 白沢峠の標の先に道標があった。 立っているものもあるが。その下には5枚もの道標が落ちているのだ。 その一枚一枚は微妙に記載地名が異なり、南北にある地名が相当遠くまで書かれていて、作った人のレベルが、ここを歩く人の思いが違うのだと理解する。


林道を歩こうかとも思ったが、風が吹き上げてくる尾根道(防火帯)の方に野鳥の姿を見たので、気持ちを奮い立たせて斜面に向かう。 木の根もなく、真っ直ぐ続く路は、足を踏みしめる場所にも困り、ただ疲れるだけである。 野鳥を追いかけられると、その疲れも一瞬無くなるが、野鳥が写せないと再び現実が見えてしまう。 標のない尾根道からちょっと下がったところに道標があり、一応このままでよいと安堵し、再び急坂の尾根道に向かう。 楽だと思った散歩も、ここからが本格的な尾根路であった。


尾根道は東側がだいたい防火帯(東京都水道局)である。 西側がどうなっているかというと、ほとんどの地点で急傾斜になっている。 しかし、防火帯がなくなっている地点があったので、気になって西側に近づいてみると、なんと崖になっている。 よく見ると崩れているのである。 一旦見てしまうと、一番高い地点を歩くことに恐怖を覚えてしまい、踏み跡を離れ進む。 でもそこは坂が急すぎて、登ることができずに踏み跡に戻ることになる。


西側には木々の隙間から甲武信ヶ岳や南アルプスが見えている。 うっすらと雪を被った甲武信ヶ岳は、いつか登りたいと何度も振り返る。 木々が抜けているところが殆どないのは残念である。 東側はというと、ピークへ達するたびに見えるので、歩く希望になっている。 奥多摩の山々が特に良く見え、多摩川流域の最高峰でる唐松尾も見え、こちらもうっすらと雪を被っている。 多摩川の流れる谷から笠取山が素晴らしい。 また、御前山は素晴らしく、三角形の堂々たる姿を見せていた。


上り下りを繰り返し、その度に景色を眺める。 しかしいつまでたっても、どのピークに立っても倉掛山の標識はない。 いったいどこにあるのだと、またピークに挑んでいく。 道標が見えた。 同時に富士山も見えていた。 標は柳沢峠と白沢峠を指し示しているものの、倉掛山の文字は見えない。 きっとここに違いないと思って、路以外のところを歩き回って探す。 西側は崖なので気を付けないといけない。 標は見当たらないが、ここに違いないのだ。 富士山も見えるので、ここなのだ!



再び標に戻ってよく見ると、標の柱に倉掛山の文字が薄っすら見えた。 あった~ やっぱりここが倉掛山なのだ。 柱は細いし、文字は消えかかっており、はっきり見える文字に気を取られて、見落としたのであった。 一息つき、あらためて富士山を眺める。 すっきりとはいかないが、雲が富士山から出ているようにも見えて、これもよい。 辺りの景色、展望は長く見ていても飽きない。 予想、想像よりもはるかに素晴らしいのだ。 ここで昼食とし、更に長い時間を費やす。




戻りは林道を使ったりして下る。 それにしても、予想よりも多くの時間を費やしてした。 でも、思わぬ景色に感動して、歩いてよかったと思えた山歩きであった。



























Posted by tenkara1nen at 18:30│Comments(0)
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