2014年03月23日
まぁまぁの岩魚
3月21日 小菅川の最上流部を探ってきた。 たったの100m位しか歩いていませんがね。

2月、関東に降った大雪の影響は、3月の下旬になっても残っている。 今期の小菅川は、何度(解禁日、二度目、三度目、四度目)行っても雪は解けずに雪渓となり、私の往くてを阻んできた。 それでも、小菅川の最上流部の様子がどうしても知りたくて、小菅村へ向かった。 国道沿いに大雪の影響は一か月たっても残っており、ところどころは復旧工事を待っている。

いつもの駐車場には誰もいない。 そりゃぁそうだろう。 残雪があることは周知のことだろうから、釣りに来る人も、滝を見物に来る人も、大菩薩へ向かう登山者もいないのである。 のんびりとソックスを履き、ダウンジャケットは着たままで、野鳥の鳴き声と流れの音だけの林道を歩き始める。 林道はすでに春である。 前回同様に歩き始めて30分で汗びっしょり、脱ぎたいところであったが、渓流に降りればたっぷりの雪で寒いに決まっているので、そのまま我慢して歩く。

歩くところには鹿の糞が多く歩き難いし、その上大雪が崖に張り付いた獣道を削り取っていて、危なくてしょうがない。 滑り落ちるかもしれない恐怖の中、堰堤の上流側へ下りた。 事実砂場みたいな斜面の通過は、生きた心地がしなかった。 ここは絶対に歩いてはいけない、危険すぎる! 流れのわきには、思ったとおり一面の残雪があった。 しかし、一か月も前に降った雪なので、表面が固くなって逆に歩きやすいものである。

まぁ、時々は雪を踏み抜いてしまうのはしょうがない。 水量が豊富なので、どこにでも岩魚がいそうな景色になっていた。 その雰囲気に反して、岩魚は出てこない。 2か所目の小さな淵には、「絶対いる」、と踏んで、しつこく毛鉤を落とし流した。 いい加減諦めようと思ったときに、毛鉤を咥えた感触が竿に伝わった。 素早く竿を立てて、引き揚げる。

18cmの岩魚で、尾びれもきれいな小菅の岩魚である。 太陽に照らされた小さな淵でも、「やっぱりいた」、と自分の判断に溺れながら、写真を撮って、一服する。 空が青い。 周りは真っ白。 一尾が掛けられたものだから安心して、周りもよく見える。 エナガが木の上を盛んに飛び回っている。 ミソサザイが、甲高い澄んだ声で、私を呼んでいる。

細長い淵には、静かに近づき、手前から順に毛鉤を落として流していく。 流れには出ていない。 浮いてもいない。 まだ深場の底、岩の下にいるに違いないのだ。 丘は春になっているのに、流れはまだまだ寒いのでる。 大きな岩にぶつかる流れに毛鉤を巻き込ませ、岩の下に送り込んでみる。 「ん?んん?」 竿を立てる。 引っかかったのかと思う感触。 しかしすぐに岩魚と分かる。

さっきと異なり十分重く、竿もきれいに曲がって気持ちよい。 あまり楽しんでもいられない。 いつもこの後逃げられてしまうので、すぐに網を取り出し逃走前に確保する。 とても綺麗な岩魚で、サイズは24cm、いいですね~ 私の場合、年間を通してもあまり釣り上げられない大きさで、なんだかすでに満腹の感覚である。

空はさらに青く、雪がまぶしい。 と思ったが日は陰り、上空だけが灰色の雲に覆われ始めた。 堰堤の淵を攻めていると、白いものが舞い始めた。 なんと、真っ青な晴天だったのに雪が降ってきたのである。 恐怖を味わった獣道を雪の中で歩くことが頭を過ぎり、私の体力と経験不足では危なすぎると思い、釣りを終了とした。 それにしても、この雪はなんとかならないものだろうか。






細長い淵には、静かに近づき、手前から順に毛鉤を落として流していく。 流れには出ていない。 浮いてもいない。 まだ深場の底、岩の下にいるに違いないのだ。 丘は春になっているのに、流れはまだまだ寒いのでる。 大きな岩にぶつかる流れに毛鉤を巻き込ませ、岩の下に送り込んでみる。 「ん?んん?」 竿を立てる。 引っかかったのかと思う感触。 しかしすぐに岩魚と分かる。


Posted by tenkara1nen at 22:45│Comments(0)
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