姿は見えども咥えない

tenkara1nen

2024年08月22日 18:00

 2024年8月21日 平坦な細い流れ、一之瀬川上流の中島川へ行った。 岩魚の姿はいくつも見たが、全く釣ることができなかった。 毛鉤が問題だと分かる釣りとなった。

 足腰が弱っても山へ行きたいし、遭難が多くなっていても釣りに行きたい。 今日は負担の少ない平坦な流れ、と云っても人家のないところ、勢い源流部となる。 多摩川水系の源流部はどこも険しいが、一之瀬川の上流が条件に合う。 ただ、浅くて細いことが難点である。 岩魚は出るだろうか。

 遠回りして立ち寄った展望台で山を望めば、何やら嫌な感じの雲がある。 先日立ち寄った時にはたくさんのアキアカネがいたのだが、今日一匹も飛んでいないのも嫌な感じである。 林道を進めば落ち葉落枝が多く走り難く、道いっぱいに広がるプールのような水溜りもある。 ゆっくり進み、たった一台しかない作場平を過ぎていく。



 フィットを停めて旧道を歩くと、倒木が道を塞いでいるが、脇に釣り人の踏み跡がある。 台風並みの風雨があったのかもしれない。 気温は寒いくらいの18℃なので、歩けばとても気持ちよい。 道が無くなるところから釣りであるが、すぐに竿を振ることはできない。 路じゃないところを歩き、大きな野鳥が見え、散々探したりする。



 小さな岩魚が出てきて、やっと一息ついた。 しかし、ここからが問題であった。 見えないが反応はあるので、少し粘って14cmと8cmの岩魚を見られた。 なんとも小さすぎる。 大きなものが見たいと広めの淵に毛鉤を落すうちに、真っ黒い影が現われた。 現われたのだから加えると思ったら、毛鉤を落したとたんに逃げていった。



 浅い流れの20cm位の段差に毛鉤を落すと、なんと大きな岩魚が毛鉤を追って出て、石の前に定位した。 こんなところにいるのだと感心しながらも、その岩魚に届くように毛鉤を流すと、また逃げられた。 広くも深くもないところなので、いるはずだと手を突っ込んで見たが、意外と奥があって見つけられなかった。 CS滝を見て戻る。



 水量はあっても砂が溜まって、広かった淵もとうとう砂だらけになっている。 定位している岩魚を見つけたので、これなら咥えると思って毛鉤を落す。 揺れる岩魚は何の反応も示さず、あまりにしつこく毛鉤がやってくるので、嫌気が差して隠れてしまう。 この岩魚は戻ってくるときには、また定位していた。



 石の傍に静かな水面がある。 とても狭いが、私の技術ならどうってことはない。 十分に乾かした毛鉤を落すと、石から岩魚が出てきてくるっと反転した。 毛鉤は浮いたままなので、この岩魚は一瞬で毛鉤を見抜いたことになる。 以前から気にしていた釣れない原因は、やっぱり私の毛鉤と思えた瞬間である。 二度と出なかった。

 もう滝が見えている。 狭いが深そうだし白泡の下や奥に、水が動かない場所もありそうである。 問題は倒木落枝が邪魔で引っ掛かりそうなことである。 早速第一投を流すと、岩魚の影が見えて・・・引っ掛かった。 毛鉤は残り少ないので取りに行くと、向こう岸と今の流れ、そして水に入った足元から岩魚が逃げた。 竿振りも問題か!

 岩魚はいる。 見える岩魚に毛鉤を落したのは八か所、尺かもというものはいなかったが、それなりに大きかった。 それらが咥えなかったのは、やっぱり毛鉤としか思えない。 ちょっと前にいた25~26cmだった岩魚は釣られたようである。 今年のこの流れの釣りは終了である。



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