逃げられた岩魚を探し
2024年6月22日 逃げられた大物を探すために、浅く狭い一之瀬川上流に釣りに行った。 その場所では出てこなかった。
一之瀬川上流の浅くて狭い中島川は、毛鉤を落せるところがほとんどない。 しかし雨の後であれば場所ができているかもしれない。 それに、前二回の釣りでは大きいと思われる岩魚に外されているので、今度こそと思っていくことにしたのだ。 先日ライダーが熊を見たという林道を通って向かった。 熊は見られず、車も見えず、安心して釣りに向かう。
大きな岩魚、それも外されたものを探すので余計なところは狙わずに、傍の流れには目もくれない。 が、水量があり筋が変わったり、浅い淵の形が変わったりしているので、ちょっとだけ竿を出しながら進む。 大物が潜むにはちょっと物足りない場所ばかりなので、小さな岩魚しか出てこないのは仕方ない。
大きな岩魚がいた場所に近付く。 そっと首を伸ばして見ると、流れの底に揺れている岩魚が見える。 目指した大きさには見えないが、もう一匹がいるとは思えないので、この岩魚を狙う。 流した毛鉤は少し横を流れたが、岩魚は浮いてきて構わず咥える。 大きいとは言い難い岩魚20cmなのに、この流れの色をしている。
重い引きが外れた所は、幅1m長さ2mほどの深場である。 見るといつもと違って、流れ込みが深場まで達しているようで、周りの水が盛り上がっている。 深場に達すだろう場所に毛鉤を落して、じっと待つ。 駄目だ! 誘ってみても駄目なので、引っかかる危険を冒すしかない。 当然引っ掛かって、岩魚が出ないまま荒らしてしまう。
CS滝の手前には、以前合わせ切れをしてしまった場所がある。 そのとき岩魚は石の下に隠れたので、まだいるかもしれないのだが、今日は姿を現さない。 滝を見て、出合いまで戻り再び釣り上るのだ。 その戻りでアナグマに出合ってビックリである。 ビックリしたのは10mもない近さだったからである。 この話は別に書く。
水量があると思わぬところに岩魚がいる。 思わぬところと云うよりも、これまで埋まっていた場所が元に戻ったと云った方は良いかもしれない。 そこは、寝られるところで、増水をきっちりやり過ごす石があると云うことである。 ただ目指す岩魚の大きさではなく、「いたっ」と意気込んだ時には逃げられてしまうのだ。
大きな石が滑からの流れを曲げている。 随分砂が溜まって狭く急な流れになっているものの、昔は石の下や間に潜んでいたのであるが、最近は見なくなっている。 いるならここしかないと思って、流れと石の間に落として様子を見るつもりだったが、その様子がいきなり変わった。 ん? ええっ! 大きいぞ!
外れるなと願いながら格闘し、隠れられるとまずいとも思って引き寄せる。 今日は小さな針で、刺さりが浅いので走られると危ないのである。 深場は狭いので力づくでこっちを向かせて収容する。 岩魚は26cmであるが、見た目はもっと大きいので何度も計測したのだが・・・ 岩魚は白い肌でも黒ずんだ感じを受ける。
上にある巡視路・登山道で戻ろうかとも考えて、いったん滑の岩盤に乗ったのだが、そこに岩魚の影を見てしまった。 50cmくらいしか幅がなく落枝が邪魔して、毛鉤は放り込みにくい。 それでも私のテンカラ操作なら簡単である。 毛鉤を落す、岩魚が一瞬動いた、竿を立てると枝に引っ掛かった。 大切な毛鉤を取りに行ったので、姿はなくなった。
もう上へ行くのを諦めて、岩魚が戻るのを暫く待つことにした。 一服して、レモン水を飲んで、もう一服してゆっくり見に行けば戻っている。 今度こそと思って毛鉤を振り込めば、一発で咥えて合わせもぴったり・・・ しかし大暴れするので、落枝にラインが絡み上げられない。 じゃぶじゃぶ入っていってまずは網で掬い、そこから絡んだ枝を取り払った。 岩魚はとても大きく見え、橙色の斑点も美しい26cmである。
目的の場所ではいい結果を出せなかったものの、26cmの岩魚が二匹も出たのは良かった。 狭く浅い場所なので、岩魚のいる場所が決まっており、釣り人がやってくればいなくなってしまうのである。 今日釣った26cmの岩魚たちは、尺になるまで残っていられるだろうか。
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