遊んでくれない山女

tenkara1nen

2022年05月27日 18:00

 2022年5月23日 岩魚と遊ぼうと思ったのに場所が変わって、山女に遊ばれてしまった。 もう私には山女を釣ることはできないのか。

 今年はまだ釣っていない一之瀬川の源流の一つに釣りに行くことにした。 大型連休も終わったので山は静かになっていることだろうと思っての事であったが、予想以上に車が多く山登りが盛んなことが分かる。 釣り人の車はというと、私が予定していたところにだけ車があったので、仕方なく下流から駐車予定地までの釣りに変更する。

 さすがに二之瀬集落には車はなく、橋の袂にフィットを停める。 さっきちらっと見たのであるが、一之瀬林道の通行止め看板が無くなっていた。 登ってくる時は気が付かなかったが、もしかすると国道から真っ直ぐ上がって来られるようになっているかもしれない。 帰りに通ってみようと考えながら、準備し堰堤に向かう。



 ここからの流れはキャンプ場の中を通過するので、キャンパーがいると恥ずかしくて釣りにならない。 しかも、浅くて深場は全くないのでキャンパーには安全でも、釣り人の趣向には合わないところばかりである。 その上山女ばかりで、岩魚はあんまりいないのである。 それでも今日はここを釣る。

 先ずは中島川出合いまでの少しだけ竿を出す。 出合い下の淵には光が差し込みとっても美しいので、丹念に毛鉤を落すが反応はない。 少しだけ誘ってみると底から浮いてきた岩魚が咥えた。 山女ならよかったが、どこからも山女は出てこず、目的の中島川へ入っていく。



 流れは浅く狭いので、ほとんどの場所は無駄な努力となるが、たまにはちょっと広めの淵がある。 そんなところに魚影が見えると、つい慎重になってしまう。 見たところ山女のようなので、流れの筋に乗せようとなるべく奥に毛鉤を振り込む。 きたきた・・・毛倍は素通りしてしまう。 ちょっと誘うと勢いよく逃げていく。 一体どういうことか?

 他のときは、山女はこっちが見える位置、巻き返しの吸い込み口辺りにいる。 一度目には毛鉤が浮いていたからか、チャプッと水面に出たが咥え切れていない。 一旦見えなくなったが、すぐに元の位置に出てきた。 しかし、二度と毛鉤には反応しないし、誘っても全く無視される。 季節的に、私には山女はもう無理なのであろう。



 この流れは両岸が藪になっているので竿が振られない場所が多い。 ところが、それよりも問題なのが「メマグリ」(三ノ瀬みはらし亭の女将さんの言葉)の多さである。 目の周りにすぐに4~5匹が集まってきて、顔も手も忙しいのだ。 2~3匹は目に入ってしまうところを、一瞬の早業で阻止する。 まだ若いかもしれない。



 「メマグリ」に邪魔されながら進む。 流れの中で大きな淵に羽虫が多く飛んでいる。 流れも緩い巻き返しもあり、今にも転がりだしそうな大きな石もある。 日陰になった石の下に振り込んで、淵に沿って毛鉤を流す。 毛鉤が日陰から日向に流れてきた瞬間に、チャプッと水面が乱れた。 山女か! ・・・ いや、やっぱり岩魚である。



 藪に囲まれた流れが少し開けると、そこには小さな淵が存在する。 ただ辺りに広場がないので、竿を振り回すわけにはいかない。 こんな時には提灯仕掛けじゃないといけないが、竿振りが難しければ、それだけ山女も岩魚も生き残るので、私はそこに挑戦するのである。 (意味不明)

 コンクリートブロックの破片が見えてくると、中島川の最終堰堤も見えてくる。 そしてその上はやがて中島川橋となる。 堰堤下に淵はないので魚はいない。 問題はここから堰堤を越える(陸に上がる)ことで、両岸が護岸されているところを登るのだ。 一旦下ればどうってことないところも、倒木を足掛かりに護岸を登る。

 ここで終了とし、廃道寸前の古道を下っていく。 道々、やっぱりこの時期になってくると私の毛鉤と技術では、山女の姿を見るのは難しいと考え込む。 遊ばれた山女を思い浮かべて、毛鉤を小さくして、なるべく浮かせて、ハリスはナイロンでもう少し細くしようか、などなど・・・

 フィットで林道を下ってみると、崩落していた道はしっかりと補修されていた。


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