同じ岩魚だ!

tenkara1nen

2020年08月15日 20:40

 2020年8月14日 どこへ行っても釣れないので、一度尺が出た流れに行ってみた。 同じ岩魚が出たのかもしれない。 尺岩魚である。

 いるとすれば大石の下なので、最初はその石への流れに毛鉤を乗せる。 ちょっと流れが速かったようなので、もう一本の緩い流れに、気を取り直して毛鉤を乗せる。 石の下に毛鉤が引き込まれていく。 その途端に、急激に引き込まれたので、ピクンと竿を立てる。 ググっと感触が竿に伝わったので、今度は力を込めて竿を立てる。 やっぱりいた! 戦いが始まる。

 竿はぐ~と曲がり、大物の引き! 外してなるものかと気合を入れる。 引き寄せては逆らわれて少し緩め、そしてまた引き寄せる。 だらだらしているもんだから、本格的に石に潜っていかれて、もう力任せに引き出すしかない気持ちに。 ハリスのこぶから切れるか、外れるか、それとも・・・ 私の勝利である。

 網がヒナヒナなので掬うのに時間がかったが、体全体が黒っぽい岩魚で、大きさは33cmである。 しかも何となく見覚えのある岩魚(岩魚はみんな同じ顔だぞっ)で、以前も出てきた岩魚に違いないのである。 まだここにいたのだと、再び同じ淵に「またな!」と解き放つ。


 お盆である。 遠くへの移動は行わない代わりに、わりと近い山、川、キャンプ場に都市部の人が集中している。 こういう時には、山の釣りも空いているかもしれないという希望的観測の下、後山川の渓流に釣りに行く。 朝から気温は高いが、山は涼しいに違いない。
 この時期は、あの世からの旅行客でこの世が混雑しているので、車の運転には気を付けねばならない(女房談)。 中でも、多く見られる「わ」ナンバーには注意する。 山道は危ないのである。 何事もなく後山川林道に入っていくと、水たまりから先にタイヤの跡が見えている。 ちょっと心配するも6台しか停まっていなかった。

 準備して、すぐに出発する。 林道から巡視路に入り、一旦高度を上げて、再び流れが近づくまで歩く。 最終堰堤が目の前にあるし、路はこの先で流れを渡る。 ということで、100mちょっと竿を出すことにした。 目的はこのずっと先なのだが、流れが傍にあると・・・ 誘惑には弱いのだ。 情けない!

 たった一匹小さな岩魚が出てきただけで、希望の持てそうな場所では全く反応がない。 この夏の急激な暑さで、岩魚は動けないのだろうか。 再び巡視路に上がり、10回以上の折り返しをして、高度を上げていく。 滝を巻いて、再び流れを渡る木橋から竿を伸ばす。 さぁ、ここから岩魚は出てくるぞ!



14.15 もっと上流が目的なので、大きめの淵だけ毛鉤を落していく。 しかし、いると思った場所でも、全く反応がない。 少々自棄になって、沈めたり、引っ張ったりして時間を使っても駄目である。 いつもなら終了する滝までやってくると、滝の右にロープが下がっていた。 ここも沢登りの人気になりつつあるのか。 歓迎すべきか。

 滝を登り、先の岩を登って一息ついて、いったい岩魚はどうしたのだろうと考える。 様子見で最初に一匹見てから、全く岩魚を見ていないのである。 この状況は今までにないもので、それは岩を流れ落ちる滑り台のような滝、岩盤を削った滝まで続いた。 美しい滝・・・だった・・・が・・・



 滝が落ちるところは全面的に滑らかな一枚岩で、前面はこれまた岩盤になっているので、越えるのが大変なのだ。 その岩盤の間に倒木が横たわって、私に難しかった巻きが、さらに難しくなっていた。 今まで両手を使ったことはないが、今日は両手を使わなければ超えられない。 滝も美しさが半減している。



 有望な淵がある。 扇のように広がる淵であるが、右側は石垣が崩れて、隠れるには絶好である。 ここでやっと24cmの岩魚が出てきた。 まぁ、何と興奮したことか。 なかなか解放できずに、記録し過ぎである。 そしてやっと落ち着いて、ここで昼食とする。 本日は久しぶりにカップ麺なので、ゆっくり余韻に浸りながらメモを残す。

 反応は多くなる。 外したときのメモ(10回)も残しているので、非常に時間がかかっている。 しかし、その間にも大きめの岩魚は出てきている。 毛鉤は最後のエルクヘアと木綿糸である。 外れる場面も多いが、よく出てくる(感じがする)のである。 岩場の滝でも外され、登りに苦戦しながら、最終地点が近づいてくる。



 岩魚は流れにいることはなく、まず間違いなく淵に潜んでいる。 そして、だいぶ釣り人が入ったのであろう。 辛うじて淵に残っているが、下流は抜かれているに違いない。 もしくは(こっちが正しいかも)、昨年から続く雨で、最近も水が出て、岩魚は埋められてしまったのである。



 最後の滝にやってきて、冒頭の話となる。 絶対、一度釣った岩魚である。 ここからは出合う沢を登ることにした。



 巡視路まで登るのに、前回来た時よりも時間がかかってしまう。 汗をたっぷり掻いたので、巡視路でもたっぷりと休んでから、ゆっくり下り始める。 巡視路は注意しないといけない。 桟橋(桟道)は新しくなっているところが多いが、古いものが急激に朽ち始めているのだ。 足を乗せた桟橋ごと落ちそうになる。

 注意しながら、休み休み、巡視路を1時間半以上かけて下っていく。 汗だく!


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