2024年04月01日
僅かに源流の岩魚
2024年3月30日 もういい頃だろうと一之瀬川源流部で美しい岩魚を狙った。 引き出すのが難しかったが、とても美しい岩魚が見られた。
今日は暖かくなると云うし、そろそろ四月と云うこともあり、標高1,500mくらいでも岩魚を引き出せるのではないかと思って、一之瀬川源流部を見に行くことにする。 ただ、この時期では珍しい高い気温になるというので、山はどうだろうかと考えてしまい、服装に困ってしまう。 結果、半袖下着に春秋用上着とする。
青梅、奥多摩、丹波山、そして甲州市の一之瀬の林道に入ると、落石や土砂崩落があり、なかなか厳しい道になる。 特に落石は私の運転技術では抜けられそうにない幅である。 一旦フィットが警戒音を出すのは気温が下がったからで、これ以上下がったらまずいと思ったものの、駐車場所では4℃に戻って少しだけ安堵する。
先行者ありでどこに入ったかを予想しても、別に行き場が変わるわけじゃない。 上流の夏焼沢を目指して歩けば、二番目の堰堤に餌釣りの釣り人がいる。 近付いて自分の行き場を知らせると、快く?「どうぞ」と云われる。 朝日が差し込む路、野鳥の鳴き声がたくさん聞こえる路を歩くのは楽しい。 今日は珍しく、道草を食うこともなく出合いに到着する。
到着するまで対岸にはたくさん残雪が見え、出合いにも雪が残っている。 一旦は残雪の斜面を下りようと思ったものの、最初に危険を冒してもしものことがあると様子見もできないと思い、雪のない場所を下りる。 流れで竿を延ばして深呼吸、今日下見する4か所の淵を想像する。 この流れには、大きな岩魚を期待できる場所はあんまりないのである。
最初の場所は、右岸は落込みからの流れが石にぶつかる。 左岸には石が突き出し、流れは緩くなっている。 その下は日陰なので、そこに岩魚がいると信じて毛鉤を流す。 反応はないが、流下物と区別させるために誘ってみる。 すると一回目で反応があって、竿が思った以上に曲がり大物の予感。 外れるなとドキドキしながら取り込むと、26cmのとっても白っぽくて、斑点の色が目立つ岩魚である。
二カ所目は大きな石の上を流れて石にぶつかり、流れは大きく曲がる。 魚影は見えないが盛んに毛鉤を落す。 一向に反応がないので、危険ではあるが流れ込みに毛鉤を巻き込ませてみる。 すると魚影が二つ白泡から出てきて、一匹だけ見える位置に留まった。 その岩魚を狙って運よく咥えさせることができた。 八寸の岩魚をよく見るとやっぱり橙色の斑点がよい。
三か所目は倒木が小さなダムを作り、丸い淵いっぱいに巻いて流れる。 魚影は見えないので、まずは流れ落ちる落ち込みに巻き込ませるために、巻いている流れに毛鉤を落す。 何度かそうしているうちに、一匹が白泡から出てきた。 咥えないまま回る流れに乗って、倒木の陰に隠れた。 今度は倒木を責めたが、上手くいかない。 風が強くて、狭い場所を狙えないのである。
四カ所目は砂で浅くなった淵で、落ち込み脇に石がある場所である。 渕尻から3mくらいまで近づいた時、二つの魚影が白泡に消えていった。 この時期岩魚も敏感なのだ。 ならば、奥の石を狙って毛鉤を落すと、着水とほぼ同時に引き込まれて、ビクッとして反応が遅れてしまい、ビクビクッと感触だけで毛鉤が戻ってきた。 やっぱりいたと確認できて、俯いてしまう。
少なくとも奥の分岐までは行く予定なので、俯いてばかりはいられない。 風は強くなってきて、あっちこっち思わぬところに引っ掛けてしまい、毛鉤を三本も失ってしまう。 そして最悪は、咥えたと感じてピシッと合わせると、何の感触もないので竿を見ると、なんとラインが付いていないのである。 毛鉤四本と仕掛け一つが無くなってしまい、急きょ持っていたラインを使って仕掛けを作る。 最悪!
残雪がどんどん多くなり、陸を歩くとズボッと踏み抜いてしまう。 それならばと、雪の少ないところを歩けば滑ってしまう。 流れと陸の境目を歩くしかないが、どうしても歩かれないところは仕方なく陸を歩く。 そんな中、竿を振っても風に悩まされる。 今日は様子見だと割り切って竿は振らなくても歩くしかないのだ。
出合いまでやってきて、最後だと思って毛鉤を飛ばす。 見た目に浅く魚影はないので、あまり期待していない。 しかし、流れ出しにあった石に毛鉤がやってくると、何かがちらっと見えたのでピクッと竿を動かす。 すると、バチャバチャバチャッと大暴れする岩魚である。 えぇっ、こんなところにいたのかと驚きながらも、外れるのが怖くて一気に陸に持ち上げる。
今日は標高約1,650mまで上り、高低差300mを釣ったことになるのだが、期待した場所には岩魚がいることを確認できた。 色白で美しい斑点の岩魚を見ることもできたので、大成功の釣り(様子見)と云うべきか。 まぁ、岩魚は徐々に活性してくることだろうから、これからが非常に楽しみである。
【余談】
下っている最中にハンモックが見えた。 こんなところでハンモック、キャンプと思っていると人が私に向かってきた。 デイキャンプで今からカップ麺を食べるという。 細い沢なので、水に注意、熊に注意と声をかけて別れたが、自然に浸りたい人はどこまでもやってくるのだと感心する。
【余談】
Posted by tenkara1nen at 18:00│Comments(0)
│一之瀬川