2025年5月11日 ちょっとは良くなっているかと思ったが、前回とほとんど変わらない釣りだった。 今季二回目の夏焼沢、岩魚がどこにいるのか分からない。
暖かい日が続いているので、もう寒くはならないだろう。 一之瀬川源流部の標高1,500mを越えたところも、この暖かさで調子良くなっただろうから、少し歩いてみようと考える。 目指すは1,650m辺りの二股である。 大きな岩魚はいないが、流れの様子を見たいこともあるのだ。
中川橋まで、そこから歩く時間、そして戻る時間を考えて、頑張ってとんでもない時間、午前三時に家を出る。 これなら釣り人もいないだろうと考えたことも理由である。 真っ暗い中を走り、明るくなったとはいえ一之瀬林道の展望台はまだ暗い。 おまけに気温が7℃で、シャツ一枚では寒すぎる。
作場平では思わぬ光景、車が10台くらい止まっているし、明らかに釣りと云える車もある。 私にはとんでもない時間でも、登山者や釣り人には当たり前の時間なのだ。 特に登山者は、日の出前に歩き出し2,000m級の山で日の出を迎えるのだ。 中川橋でフィットを停めて準備していると、寒さが身に染みてくる。 雨合羽を着て歩く。
もう歩くだけは嫌だと、夏焼沢出合いまで100m足らずで流れに入り、岩魚の様子をみる。 水量は前回よりあるものの反応は全くない。 しかし、夏焼沢に入ればすぐに反応があった。 石の下の流れに何度か毛鉤を乗せて引っ張り出したのは岩魚22cmである。 この流れの岩魚の色じゃなく、やけに黒っぽいのはおかしい。
出合いは標高約1,500mで、あたりの木々の緑はまだ薄い。 浅く細い流れに水量があれば、毛鉤を落す場所は殆どないし、落しても岩魚はいない。 沢に入って最初に期待する場所までやってきて、絶対に出ると念じて毛鉤を落す。 右の石近く、左の流れがぶつかる石のあたり、何度流しても反応はない。 なんだか~
低い落ち込みで浅い砂底、落ち込み近くに沈み石があるのでそこを狙う。 すると石から出てきた岩魚が、砂底を流れる毛鉤を追ってきて、咥えたかのように見える。 シュッと竿を立てると、ピュンと岩魚を一気に引き抜いてしまい飛んでくる。 よく切れなかったものだと岩魚を見れば、18cmで切れる大きさではない。
いくつか少し水のたまった場所があるので、石の下や静かな水面、白泡の横などを狙っている。 しかしそのどこからも岩魚の反応はなく、魚影も見られない。 木々の緑は更に薄くなっていくので、岩魚もまだ元気が出ないのだろう。 沈みがちに登り続けるしかない。 それにしても、前回来た時に岩魚を放した場所からも出ないのはどういうことか。
私の毛鉤をいつも外してしまう岩魚のいる場所をじっと見る。 今日は絶対外されないぞと気を張って、毛鉤を落しじっと見つめる。 きた~ パンと竿を立てるとガンガン引っ張っていくので、とても気持ちよい。 これはまた外れるかもしれないと不安が大きくなり、淵に入って網を差し出す。 なかなか入れられず、更に不安になった岩魚はスマートな25cmである。
毛鉤を落すべき場所はまだある。 いくら振り込んでも音沙汰なし、たまに咥えれば合わせ切れ、どんどん登っていくしかない。 合わせ切れは、その前に細い枝に引っかかった毛鉤を無理に取ったのが問題なのだ。 その証拠に切れた先がザラザラになっている。 ハリスには常に注意を払うべきだ。 ずっと前から思っているが、根っからの貧乏性で・・・
前回終了した場所にやってくると、かねてより気にしていた大石が転がり落ちている。 しかも、様子を見るためにいつも立ち止り、通過するところに落ちているじゃぁないか。 時を間違えれば、と考えるとぞっとする。 私は幸運だと、さっさと通過していく。 ここから先は今季初で、ずいぶんと速い時間の通過となる。
石に囲まれた場所がある。 記憶では一度だけ岩魚が出た場所だし、毛鉤が見えないところを流すので、ラインにも注意して流す。 すると、いきなりラインが逆に動き沈んでいく。 竿を立てれば思わぬ抵抗にあい、慌てて近づき網を出して掬う。 とはならず、深場の石の下、白泡の中を縦横に走り回り、なかなか入れられないのだ。 引きを十分楽しむしかなかった岩魚は24cmである。
奥の二股までやってくる。 ここはもう標高1,650mくらいである。 木々の緑は更に薄くなって、流れの水量はもうわずかである。 日当たりがよく暑いくらいで、ただ歩いても気持ち良さそうだ。 出合いのすぐ上にちょっと期待し毛鉤を振り込むと、石の前で岩魚が出た。 小さくてもこの流れの色をしているので、なんだか期待してしまい先へ行く。
流れの水の殆どが周りに吸い取られ、落ち込みは低く細いので、ごく浅い流れになっている。 毛鉤を落せる場所にとりあえず落とせば、小さな岩魚が出てくるので、こんな流れでも岩魚は残っていられるのだと感心する。 まぁ、大きくなることが難しそうなので、繁殖がちょっと心配である。 小さな岩魚を見て終了する。
今季最初に来た時と状況は変わっておらず、岩魚の数は例年になく少ない。 これは、この冬の渇水が影響し、まだ活動していないだけだろうか。 それとも、流れや斜面の崩れで、埋まってしまったのだろうか? 今度は東谷の二回目釣行で確認だ。