いい頃合いと思った沢
2025年4月16日 小菅川の支流、そこに流れ込む沢に行ってきた。 もう岩魚が出てくれると思ったが、まだ駄目だった。
雨も降ったし、温かくなったので、沢の水も多くなっているはずだ。 まだ行っていない、様子を見たい小菅川の沢は二つある。 そのうちの一つ奈良倉沢に行くことにする。 ここは滑の廊下帯が多く、そこを通過すのは時間がかかるし自信がないので、そこは巡視路で巻いていくのだ。 そして、岩魚と奈良倉大滝を観るのである。
小菅村を走る国道の往きは素晴らしい道であったが、還りにはポツンと一個の落石があった。 こんなことは小菅林道でも経験し、そこは後日斜面が崩落したので、国道も前兆ではないかと心配になった。
バリバリ、ボキボキ、時々バチンとフィットが叩かれる落枝の多い林道である。 植林地も多く残るので、流れの落枝状況が気に掛かる。 分岐の広場にフィットを停めて、まずは下の流れを確認すれば、いい感じに見える。 相当に寒いし光も届いていないので、巡視路でちょっと先へ行って温まる。 倒木が増えているように感じながら歩く。
岩魚がいるのは分かるが、なかなか姿が見えない。 グ~と引き込まれてさっと竿を立てるとプツンと合わせ切れとなる。 針だけがなくなっている。 一瞬の手応えは、超大物を思わせたので非常に残念である。 まぁ、これは、逃げられた時の釣り人の話であるが、大きかったことには間違いない。
ちょっと振り込み難いところがあるのだが、岩魚が出てきそうだったので横振りで毛鉤を飛ばす。 そこ、ここを通過するときに・・・咥えた~ チョンと合わせて針掛かりさせて・・・上空の枝で引き寄せられない・・・岩魚が落枝に絡む。 仕方なくじゃぶじゃぶ、そしてハリスを掴むと切れた。 こぶになったハリスは放置してはいけないのだ。
滑の谷に入る。 狭く歩き難く、岩盤を歩くしかない流れである。 期待できる場所は流木、倒木でほとんど振り込むことができない。 きっと岩魚はいるのに、振り込めないということは、奥に岩魚が隠れているということである。 急な斜面を登って巡視路に上がる。 危険!!
巡視路も危険で、特に岩盤の上を通過しなければならないのが二カ所ある。 ここには水が出ていて三月は凍り付くし、下手な渓流靴では滑り落ちるのである。
以前整備していた山葵田にやってくると、何と鹿避けネットが取り外されていた。 まだ最初の山葵床だけだったが、そのうち全部取り外されるのだろう。 ということは山葵栽培は放棄されたのだ。
奈良倉大滝にやってくる。 この滝の名前は「奈良倉滝」であるが、細い谷での落差を思うと私にはどう見ても「大滝」なのである。 惜しいのは滝つぼが存在しないことである。 水量を考えれば無理もないことであるが、この落差が水によってできたのではないとすれば、断層なのかもしれない。
窪から登り右へ向かって滝の落ち口、または左に向かって巡視路に上がるかで、私の技量では当然巡視路に上がる。
滝の上に出れば、冬枯れの木の隙間から雲取山(山の同定は難しい)が見え、日差しも差し込む明るい山葵田で、休憩するにはいい場所である。
山葵田の石垣がしっかり残るので、石垣の間の細い流れしかないのに、一部壊れた石垣が有れば流れは山葵床に広がって、さらに釣りにはならない。 岩魚はいるようだがどうしても合わせられないのは、岩魚が小さすぎるのかもしれない。 証に出てくるのは捕ってはいけない大きさよりも遥かに小さいのだ。
水がほぼなくなって二股になる。 そこには新しい桟橋があるので椅子代わりにして休憩する。 辺りを見回せば芽吹き始めた木々が多いのが分かる。 赤い芽が出て、次に緑の葉が出てくる木が近くにある。 芽吹きのころ、山が赤く見えるのはこのせいなのだ。 そして私の後にはカケスが襲われた痕跡がある。 岩魚は釣れないが春なのだ。
隣の大白沢は早すぎてボウズだった。 そろそろいいと思った奈良倉沢もまだまだ、もしくは今年は無理な気がした。 捕ってはいけない大きさの岩魚しか出てこなかったからである。 まぁ、逃がした岩魚は大きかった?し、またいつか来てみようと思った釣りだった。
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