一之瀬川上流はまだか
2019年4月12日 久しぶりに雨が降った。 テレビによると奥多摩は雪だったということで、雪見の釣りに一之瀬川へ向かった。
源流部の水が少なくて、どこへ釣りに行こうかと悩む日々が続いている。 そこへ雨(二日前に)がやってきたのである。 テレビによると奥多摩は雪になったと報じているので、もしかしたら水が増えているかもしれず、もっと都合のいいことを考えれば、真っ白な雪の中での釣りができるかもしれないのだ。
天気は良くない。 そのうえ気温が低い。 自宅では8℃だったのだが、一之瀬川では2℃になってしまい、暫くウェーダを履けなかった。 その間、集落の流れを見て回ったが、水は増えているとはいえず、どこにも魚影が見えない。 寒いのだ! ん~ せっかく来たので、意を決して(大袈裟な!)ウェーダを履く。
今日は、私が釣りに行く中で唯一集落内の釣りなので、退渓は比較的容易いので、天候の崩れがあっても多少安心している。 いざ流れに入っていくと、平たいところには雪が残る。 最初、その明暗差に目が慣れず、浅くて透明度が高いにもかかわらず、底が見にくい。
思ったように水は多くなく、浅いところばかりなので、この流れで毛鉤を落すべきところは殆どない。 ここは山女と岩魚の混生なので、淵では流れにも淀みにも、石の下にも狙いを定める。 まぁ、満遍なくといったところか。 と、最初は思わぬところから山女が現われた。 そこは浅い流れだったのである。
低い落ち込みに毛鉤を吸い込ませ、白泡の下を通す。 すると急激にラインが戻って行くので、素早く合わせると強い引きが伝わる。 おぉ~ 外れるなよ~ 祈りながら竿を立て引き寄せる。 そして、その姿が見えた瞬間、大暴れ! う~~ 毛鉤が戻ってきた。
深くて細長い淵に山女が定位している。 ふむふむ、この岩魚なら一発で咥えるはずだ。 ゆっくりとかがみこんで、竿を一回二回と振って、いざ、毛鉤を山女の先の方に落とす。 ほら、もうすぐ、おおっと逃げた。 なんだ~ 毛鉤を見て逃げる速度ではない! 姿が見つけられたのか、竿が見られたのか。
石が淵からの流れとせり出し、流れは緩くなり、その下は空いている。 あそこにいるかもしれないと思い、上から石を目がけて毛鉤を流す。 毛鉤が少し沈みながら石を回り込んでいるときに、山女が石の下から追って出て、パックリと咥えた。 この日最も大きな、とっても綺麗な山女、22cmである。
ずっと曇っていた天候であるが、昼頃お日様が顔を出した。 まぁ、それも一瞬のことで、すぐにまたどんよりとした空になる。 今回の流れで唯一の滝(3m滑)は、丁度日が当たっているときで、底にいる山女が見ている。 ちゃぽっと落して漂わせる毛鉤に浮いてきて、臭いをかぐように、感触を確かめるようにちょっとだけ咥える真似をして、消えていった。
この滑の滝は、大した高さも斜度もないのだが、雪が残っており、足が緊張するのが分かる登りとなる。 登った後の緩い滑の流れは、滑る流れを注意して進んだ。 この辺りの陸は雪で真っ白なので、傾いた雪に乗るのが怖いのだ。 見えるところを進んだほうが、安全なのである。 滑の滝から上は雪が多く残るのである。
こんな調子だから、私の注意力もなくなり、何度となく山女に走られる。 小さな山女が淵尻で餌を待っているのである。 一応淵尻も流した後にも関わらず、底から走って逃げるのである。 それにしても、もうそろそろ岩魚が出てもいい景色なのに出てこない。 渓は暗くなり、落差も出てきているので、山女も棲み難くなっているはず。
落差のある岩場を登ったところにある淵には、淵とは言えない程浅いが、上流側に石がある。 その脇に毛鉤を落し、流れに任せていると、向こう側から黒い影が近づいて、すっと咥えて逃げようとした。 そうはさせじとピクッと竿を立てると、小さな岩魚が水から飛び出てきた。 そうです。 16cmしかない子供の岩魚であった。
堰堤までやってきて、藪をちょっとだけ掻き分けると林道である。 雪がたっぷり残る広場に足跡を付けて、ニタニタしながら林道を下る。
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