これぞ岩魚(小菅川)
5月10日 今思い出してもドキドキする事態が、小菅川の釣りで起こった。
ん~ 駄目か~ 引っかかったのかな~ ・・・・・・ おおぉ~~~ 咥えている~ 動かない! 私の毛鉤よ、外されるな~ 糸が切れませんように、と祈りながら浅いところまで引き寄せる。 竿は限界まで曲がっているのになかなか寄ってこないので、私が淵へ入り網を差し出すが、失敗の連続でドキドキが高鳴る一方であった。 そしてようやく網に入れたのは、なんと
37cmの岩魚である。
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昨日はしっかりと留守番をしていた。 あまりに暇だから毛鉤を巻き始めたが、うまく巻けないのですぐに止めて、渓流に思いを馳せる。 この毛鉤は姿は悪いが、フライフィッシング用の釣針なの、今まで持っているものとは違う。 この毛鉤を、岩魚が見つけて、ゆっくち近づき、ぱっくり咥える。
我慢できずに、今日は釣りに行く。 小菅川の日曜日は大混雑で、源流部の駐車スペースには釣り人の車でいっぱいである。 仕方がないので、後ろから釣り上がることに決め(願わくは、足を踏み入れていないでくれ)、流れへ下りていった。 ここは、先日も来たところである。
昨年同様に岩魚にこだわった釣りにしようと考えているので、目立った岩は見逃さず、巻き返しには必ず振り込み、大きな淵は毛鉤を沈めて探る。 最初に選んだ巻き返しは、40cm位で倒木にぶち当たる。 正確なショットができる私は、もちろん正確に振り込み岩魚が出てきた。 が、外れて、毛鉤は頭上の木の枝に・・・
最初から岩魚が反応してくれたということは、先行の釣り人はここにはいない。 ますますそう思って、ここに入ったことを幸運と思う。 そのうえ、岩魚が出てくれれば最高に喜ばしい。 この流れは、かつては「小菅川の山女が棲む最上流部」と云われていたらしいので、その山女が出てくれると申し分ない。 実は最後の山女を釣ったことがあるのだ。
毛鉤は昨日巻いたものが五本ある。 再び毛鉤を結んで同じところに振り込むが、もう出てこない。 確実に咥えていたので、彼も相当な衝撃だったのだろう。 そう云えば、この毛鉤はバーブレスなのである。 水から出したり出たり、流れの強いところに導いたり走られたり、私の力量では相当の注意が必要である。 頼りは深く曲がった鉤の形だけである。
鏡のような水面に数回打ち込んで、その後毛鉤を滑らせた。 すごい勢いで山女が、いや岩魚が飛んできて、水面を滑っている毛鉤を咥えた。 いやはや、とんでもない興奮である。 滑らかな水面なので、底にある石まで見えているところなので、素早い動きの一部始終が見えているのだ。 浅い岸までゆっくり引っ張って、急いで網を出す。
26cmもある岩魚で、この場所ではとんでもない大物なのである。
この後は、20cm以下のまだまだ大きくなる岩魚ばかりが出てきた。 釣り人がせめて7寸以下を置いていってくれれば、来年はとんでもなく大物になるはずだ。 入渓したところは、3。5mのラインに1mのハリスを付けた私の仕掛けでも振り難いところが多い。 とってもいい場所、とってもいい淵に振り込むことができないのである。 よしんば振り込めたとしても1回だけで、その場所は真横である。
今日の最終地点の淵(堰堤の下)にやってきた。 いつもではないが、時々、たまに、ほんとに稀に岩魚が数匹出てくれる淵である。 期待をして振り込む。 ・・・ 反応がない。 水面をたたく。 ・・・ 反応がない。 左岸、右岸、堰堤際、どこも駄目である。 壁に沿って流れ落ちる水流に毛鉤を呑ませて、深く潜らせる。 ・・・ ・・・ 反応がない。 そして冒頭のこととなる。
引き上げたのは37cmの岩魚で、私の渓流釣りで最大の大きさとなった。 竿が折れないか、ラインは大丈夫か、ハリスが切れないか、毛鉤は外れないか、私は倒れないか、とにかくドキドキ、ウキウキ、大興奮のこれぞ岩魚、
「The岩魚」となる一匹となった。
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