丹波川の支流で山女と岩魚

tenkara1nen

2010年04月25日 23:30

 4月25日 丹波川の支流の支流に釣りに行った。

 早く起きた朝を全部見てから、のそのそと車に乗り、丹波山村へ向かう。 小菅村に向かう道を横目に、気持ちの傾く後山川も通り過ぎ、村の中心を素通りし、林道に入っていく。 駐車しているのは4台で少ない。 一人の釣り師が今から釣りに行こうとしているので、どこへ行くのか聞いて、私の入る場所も伝えて、安心して釣りの準備をする。 準備後は、ゆっくり林道歩き出す。

 林道からは検査路を使って谷に下りる。 支流出合い地点あたりに淵があるので、まずはここで渓流の状態を見る。 最初の一尾には逃走されたが、最終的には2尾の山女をネットに納める。 山女は13cmと17cmで、まずまずの出だしで、この先の支流での釣果も期待できそうである。 ただ心配なのが、このところ渓流の水量が増していることだ。

 思ったとおり、支流は水嵩があり、幅のある河床いっぱいに水が流れるところもある。 流れは強く、淵は白泡で溢れ、毛鉤を振り込む場所がない。 天才的なテンカラ師である私(誰が言っているのかな?)でも、場所がなければ、宝の持ち腐れである。
 渓流は、春の訪れをあちらこちらで見ることができる。 昨年きれいになくなった緑が少しづつ芽吹き、渓流が緑に覆われるのも、もう少しである。 テンカラを使えるところを探し、さっさと遡上する。

 やっと振り込めそうなところが見つかる。 いつもなら取り残された水溜りであろうが、今日は若干の水が落ちてきて、本流とつながっている。 毛鉤を浮かすには最適な、波のない淵である。
 最初、逆さ毛鉤を振り込んでみると、一つの影が毛鉤を振り向く。 「これは来る」と思い、散々振り込んでみるものの、数回見に来るだけで、決して毛鉤を咥えない。 今度は、フロータントを逆さ毛鉤にたっぷり振り掛け、浮かしてみる。 これにも魚は振り向かないので、淵の一番奥に毛鉤を送り込む。 ぽっかり浮いた毛鉤は、虫のように水面を滑ったかと思うと、底から浮いてきた影が飛びついた。 久しぶりの興奮に、合わせが若干遅れたものの、しっかりと引き寄せる。 少し錆の残る22cmの山女である。 残念な点が一つ、尾鰭が丸まっている。 きっと流れのないこの淵にずっと棲んでいるので、水流に耐える必要がなく、尾鰭が丸まったのだろう。

 滝壺の巻き返しに振り込んで、渓流を渡っていると、急に竿に手ごたえが伝わる。 と同時に、足が流れに取られる。 合わせを入れるのがだいぶ遅れてしまい、すっかり逃げられてしまう。 諦めきれずに、一服して時間を稼ぐ。 対岸より再度巻き返しを狙う。 何度も何度も打ち込むが、反応がない。 振り込んだ毛鉤をよそに、上空を眺めていると、またしても手ごたえが伝わる。 さっきと同様に、合わせが遅れ、逃げられる。 またまた一服して、時間を空ける。
 今度は毛鉤を浮かせて、巻き返しを滑らせると、水中より黒い影が浮き上がり、毛鉤を咥える。 「いまだ」と心で叫び合わせる。 早すぎた・・・

 出合いまで戻り、橋の上流へ釣りあがる。 大きな淵の波のないところを岩の上から狙ってみる。 チャパチャパ毛鉤を動かして、渓流魚を誘う。 何度か目に浮いてきたのは、17cmのここでは珍しい岩魚である。 なかなか珍しい岩魚が釣れたので、釣りの気持ちは充足し、本日終了を告げる。

 少し遡上すると、崖がせり出したすばらしい景色が顔を出す。 いかにも岩魚が潜んでいそうなところであるが、もう少し水が少なくないと、波のないところができなくて、振込みもできない。 波のないところを選んで振り込むと、毛鉤を追う魚影が見える。 しかし、咥えるものはいない。 少なくとも振り込める淵に山女らしきものはいる。 今日は、毛鉤のデザインにうるさい山女が多いようだ。 

 仕事道か検査路か、朽ちた橋までやってくると、そこはいい淵が続く。 毛鉤は相当場所が限られるが、餌釣りなら場所を選ばないだろう。 これまで咥えなかった毛鉤を、やっと咥えた山女が、淵の巻き返しからネットに収まる。 もしかするとアマゴかも知れない17cmの山女である。 側線あたりがオレンジ色に見え、顔つきもなんとなく精悍である。 「アマゴ」であって欲しいという気持ちが、そのような目で見るのかもしれない。

 私の通れない大きな淵まで来たので、そろそろ終了である。 本日の釣果は5尾であるが、岩魚交じりで、気分は上々である。 釣りの遡上距離が短く、内容がいいので、帰りの林道も(身も心も)楽である。


あなたにおススメの記事
関連記事