竿を忘れて金を探す?
2024年7月19日 岩魚と金を探そうと思ったのに、流れに着いた時に竿を持っていないことに気が付いて、二時間近く竿を出せなかった。 金も見つからなかった。
こうも釣れないとどこへ行けばいいのか分からない。 多摩川水系の源流部(山梨県)しか行かない私にとっては、行き場がないのだ。 歩くしかない場所や険しいところが残ってはいるが、そこへ行く決心はつかないし、実際行くのはとても危険でもある。 そこで、山女と遊ぶついでに岩魚と金を探すことにした。
黒川金山跡から流れる黒川、旧青梅街道が川を渡るところから上流を目指す。 旧道といえどもほったらかしの道は危険な場所が多くあり、体よりも神経が疲れてしまう。 その張り詰めた気持ちがやっと解放されて、流れに下り竿を出そうとしたとき、とても重要なことに気が付いた。 竿を忘れてきたのである。 えぇ~~
一応魚釣りに来ているので・・・ 金探しだけで流れを遡るのは・・・ 戻るしかないと思ってしぶしぶ戻るのだが、その途中で色々考えてしまう。 一時間以上経過する中で、目的の流れで釣るべきか、他の流れに竿を出すべきか。 汗びっしょり、すでに疲れていても、計画通りしかないという結論である。 何たる失態!
歳を感じながら再び流れに向かい、やっと到着しても竿を出す元気がない。 危険なところを三回も通過し、その他は少し急いだせいで、身も心も疲れてしまったのだ。 しかしもう一度歩かなければならないと思うと、ここからはゆっくり注意しながら釣る必要があるし、金も探さねばならない。 短い距離しか進めない、一休みである。
前回最後に毛鉤を落した場所にやってくる。 大きな倒木が少し動いているようで、流れも穏やかで、倒木の脇は底まで見える静かな水面になっている。 前に来た時には山女がいたはずだが、今日は何の反応もない。 この時期になるとどこも釣り人が入っているので、なかなか出てこなくなっているのだ。
釣り始めれば元気な山女は出てくる。 小さな山女もいるようだが、私の毛鉤が大きすぎるせいか、玩具にするだけである。 岩魚がいそうな場所に毛鉤を落して見ると、22cmの山女が出てきたりする。 ここに岩魚はいないのだろうか。 岩盤が見える場所も多く、休める場所が少ないので岩魚はいられないのかもしれない。
滑の岩盤の深場には、きっと砂金が溜まっているに違いない。 その砂金を取るのは難しいので、辺りの石に注意を払って金の塊を探す。 黒川金山から流れ落ちたもの、あるいは黒川千軒の住人がうっかり落とした、置き忘れた大きな金であるが、そんなものはどこにも見当たらない。 そもそも本物の金を見たことがないのだから無理もない。
最終堰堤にやってくる。 ここは暗い場所で期待できそうに見えるが、水量があってなかなか思うように毛鉤は落とせないし流せない。 それでも頑張って、頑張って思うところに落とせたところで、ジャブッと水面に飛び出した。 シャワーが落ちるような水面から飛び出したのだ。 感激!
流れには毛鉤を落せば山女や岩魚が出そうな場所が多く見られる。 岩魚がいそうな場所にしきりに毛鉤を落しても、全く反応はない。 少し平坦な場所があれば、金塊を探しても見る。 どちらも見られないのは、探し方が甘いのか。 岩魚は下流にはいるのだから、この辺りにいてもおかしくないのだが。
流れが両岸岩盤となる流れとなる。 この始まりには黒い影が三つも見えている。 早々に二匹には逃げられてしまうが、残る一匹は悠々と泳いでいる。 毛鉤を落してみるとチラッと動くが咥えない。 何度も流して咥えさせようとするが、すぐに全く反応しなくなる。 これはどういうことか、毛鉤の問題か。
流れを進むことが難しくなり、岩を登る羽目になるのだが、脇へ外れるとそこにはロープが下がっている。 よく見れば下にも下がっており、これは倒木を登って来られない人のためと思われる。 ということは、沢登りが付けたものではなく、トレジャーハンターが取り付けたものに違いない。 そのロープを使って登る。
石が多くなって、時間も無くなり、金塊も岩魚も見つからない。 終了を決める。 釣りに来て竿を持ってこなかったため、一時間以上も無駄にしたことが、今日の失敗である。 先日は水を忘れ、昨日は網を忘れ、今日は竿を忘れた。 だんだん肝心なものを忘れるようになって、頭がどうなるのか心配である。
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