スミナガシに好かれる
「糞の臭い?」 「あ~はっはっはっは!」 女房の笑いである。
砂底の渓を上っている。 すると蝶がまとわりついてきた。 「なんだ?」、じっとして様子を見ていると、なんとウェーダにとまった。 蝶はスミナガシで、すぐに赤い口吻をウェーダに伸ばして、ちょんちょんと探り出した。
山の蝶たちはよく動物の糞や屍に集ってくる。 と云うことは、私から糞の臭い、もしくは死臭が漂っているのか。 思わず「クンクン」とするのである。
スミナガシはとても気に入ったようで、じっとしていると離れないので、掴んでみようと手を伸ばす。 翅に触っても逃げないので、捕まえた。 簡単である。
女房に話をすると、「糞の臭い?」、「あんたが!」、「あ~はっはっはっは!」、笑いが止まらない。
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