四月の山の花(1)

tenkara1nen

2025年05月15日 18:00

 山で見る花を記録しているが、名前が分からないので躊躇する。 花には旬というものがあるので、すぐに時代遅れとなってしまう。 それでも折角だから、花が頑張って生きている姿を見てもらおう。 源流部の4月中旬の花なので、もうないかもしれない。

ハナネコノメ


 ハナネコノメが苔の付いた岩にたくさん咲いている。 あまりに小さい花なので、たくさんあるとつい全体を見てしまい、ひとつひとつの花には目が向かない。 でも、斜面を上っているときに横にあったりすると、つい見てしまうのだ。
 よく見れば、白い花の中心から伸びるおしべとめしべの先に、赤や黄色の丸いものが付いている。 よ~く見ないと分からないが、それが綺麗なのだ。

ネコノメソウ


 荒れたところを好むのか、崩れた斜面や踏み跡の傍でよく見るようになった。 たくさん見るものの群落ということはなく、だいたいポツンポツンと咲いている。 黄色い部分が花だといつも思うが、どうも違うらしい。
 葉っぱのグラデーションはとても美しく、花はその真ん中にあるようだ。 肉眼では、小さな豆にしか見えないのは、目が悪くなったせいかもしれない。

ヨゴレネコノメソウ


 これがヨゴレネコノメソウかどうかの自信はない。 葉っぱが緑一色じゃなく、汚れたような茶色に見えるのだ。 ネコノメソウとはその葉っぱが違うと、ただ思っているのだ。
 花を拡大すれば違うかもしれないと思ったが、見れば見るほどネコノメソウと同じに見えてしまう。 しかし、しかしである、一度振り上げたこぶしはなかなか下ろせない。 誰か正否を、お願い!

ツルネコノメソウ
 実はツルネコノメソウがあったが、あまりに雑草に見えたので、たった一枚だけ記録していた。 一面に生えているし、花らしきものが見られなかったので敬遠したのである。 もっとちゃんと見ていればよかった。

ハシリドコロ


 渓流で一番に葉を出し、花を咲かせて、一番最後まで残る草花である。 鹿などの獣に食べられることもなく、寿命を全うする凄い花である。 それは毒があるからで、渓流脇の斜面などは我が物顔で咲きほこり、伸び放題である。
 この草をすりつぶして流れに乗せれば魚は浮いてくるだろうか。 アフリカのどこかでは毒で魚を採るというから、試してみたいものである。

ワサビ
 私が釣りで歩く場所は殆ど山葵田だったところで、時々生き延びた山葵が見られる。 その生き延びた山葵は、きっちりと花を咲かせて、更に生き延びようと努力している。 しかし、今まで人の手で生き延びてきた山葵なので、果たして未来はあるのだろうか。


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