ゆっくり岩魚を探して

tenkara1nen

2023年09月06日 18:00

 2023年9月1日 もう行かれる釣り場はないので、緩くて狭い墨川をゆっくり歩いて山を楽しみながら釣りをした。

 一昨日と昨日結構歩いたので、今日は高低差の少ない流れをゆっくり歩いて釣りをしようと考えた。 そんな流れで岩魚がいるところと云えば、一か所しか知らないのですぐ決まる。 多摩川源流の一つで倉掛山か流れてくる墨川である。 ここは高低差がない割には堰堤が多く、留めに大堰堤が待ち構える。 釣りの景色は何とも言い難いものである。

 のんびりと山歩きには最適で、山里の雰囲気もあるので、動植物も多くて楽しいのだ。 墨川出合いまでフィットを入れることはせず、高橋集落(人が住まれる建物もあるが住人はいないようだ)の中をぶらぶら歩いていく。 草地からは湯気が上がり、赤とんぼが舞う中は涼しくて気持ちが良い。 程なく高橋川に出合う墨川である。

 すぐに竿を延ばして流れに入るが、毛鉤を落すのは数少ない。 浅い砂底には岩魚が餌を待っていそうな場所が少ないのである。 特に、何度も水量が増えた場所は、岩魚はもうそこに見切りをつけて安住の地まで、少なくとももう上られない場所まで行ってしまっているのだ。 もうすぐ産卵の時期を迎えるのだ。



 低い堰堤下の水溜りやもう少し下にある溜まりに期待して毛鉤を振り込む。 岩魚はそういうところにいるのだが、気を付けねばならないこともある。 急に出てきたときに合わせ切れを起こすこと、逆に合わせが遅れて外れてしまうことである。 この日も、合わせ切れが一回、合わせが遅かったのは数回あった。 いずれも深場の水溜りである。



 出てくる岩魚は思っていた通りではなく、ずいぶん小さい。 そんな中「おぉっこれは?」と思った引きがあった。 いやいや、ずいぶん大物である。 やっと引き寄せると擦れ掛かりであり、尾びれの方にかかっていたので20cmでもとんでもなく大物に感じたのである。 でも溜まりでのことなので、私の毛鉤を嫌ったに違いない。



 平坦なところは流れだけではなく、斜面をちょっと登れば道になり、どちらも歩き易い。 ヤマトリカブトやホタルブクロ、赤とんぼを見ながら進む。 特に日向には赤とんぼが多くて、竿にまとわりついて、休んだりするものだから釣りに集中できない。 余りに邪魔だから、一匹だけ掴まえて接写する。 この後は、なぜだか赤とんぼが気にならなくなった。



 大堰堤の上が最後である。 堰堤脇の路を歩いて、堰堤上のプールを見ると、以前にも増して緑色が濃くなっていた。 なんだか気持ち悪いと思えるほど濃く、プール全体に広がっており、とても釣りの雰囲気にない。 それでも取りあえず短いラインを振り回すが、当然岩魚は出てこない。 岩魚はいるのか、日陰の深場に潜んでいるのか、酸素が無くなっていないか、いろんなことを考えて釣りは終了する。

 戻りは道を歩いていく。 たくさんいる赤とんぼを掻き分けるよう(大袈裟!)に下っていく。 戻ってくると、8月10日に作場平で出会った釣り人にまた会った。 「会うもんですね」と話をしていると、またもや毛鉤をくれた。 この釣り人の鉤は細くて良く刺さり、好結果を経験していたのである。 これで良い釣りになった。


あなたにおススメの記事
関連記事