悠々とした鹿

tenkara1nen

2022年06月17日 18:00

 猿を見ているとその中に鹿がいた。 逃げることもなく猿と戯れていた。

 猿が道に出ていたので、目の前の駐車場にフィットを停めて観察する。 すぐに茶色いものが見えたので顔を上げると、斜面に鹿を見た。 山で遇う鹿は、私の姿をいち早く見つけて悲鳴を上げて逃げるのだが、斜面で丸見えなのに逃げる素振りは感じられない。

 草を食べるのに忙しく、逃げることに頭がいかないのか。 あっ食べた。 と思ったら、咥えた枝を捨てたのだ。 歩く場所には小さな枝でもあってはいけないと言いたげである。 猿は近くにはいないが、鹿の行く先には猿たちがいる。

 鹿は子猿がいるフェンスに近づいて、子猿を背中に背負うようにして斜面を登っていった。 猿と鹿の映像はテレビで見たことはあるが、現実に見るのは初めてかもしれない。 そう思って、悠々と立去る鹿を見えなくなるまで見ていた。




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