ホバリングのカワセミ

tenkara1nen

2020年12月23日 21:00

 カワセミのホバリングする場面に出くわした。 シャッター速度が千分の一の時であった。

 空堀川にはカワセミが生き残っている。 河川改修が進み、流れは浅く広く直線になりつつある。 護岸もきれいにブロック積みされて、カワセミの姿をなかなか見られなくなった。 一時期、大砲を持ったセミプロカメラマンもたくさん見られたが、今は下流へ移っているようである。 そんな場所で、久しぶりにカワセミのホバリングするところを見た。



 わが街を流れる空堀川を散歩していて、ふと気になって自転車を止めた。 何が気になったのかはわからなかったが、川の岸辺をじっと観察すると、くちばしのようなものがちょっと動いた。 さらに見ていると、体は見えなくともやっぱりくちばしである。 じわじわと近づき、確認しようと頭を突き出したところ逃げられる。 青い姿はカワセミで橋の下に向かった。

 橋の下のカワセミが見えるところまで近づいたところで、いきなり流れに飛び込んだ。 カワセミは流れに浮かぶ石の上に乗って、捕らえた魚を食べようとしている。 そう思えたのでカメラを向けた。 捕らえた魚を飲み込んだ(そう思った)後は、すぐに下流へ向かっていった。 写せたかどうかは分からなかったが、自宅で確認すると小魚を咥えたところ、飲み込んだところが写っていた。

 カワセミが逃げた方向に散歩は続き、青い色に気にしていると、枝にカワセミがいるのを見つけた。 明らかに水面を気にしている。 ただ、さっき逃げたカワセミかどうかは分からない。 飛び込まないかな~ そう思ってみていると、ふいに飛び立って水面に突っ込むではなく、ホバリングを始めた。 時間は定かではないが、数秒間はホバリングしていただろう。 そして水面に突っ込まずに、下流へ移動していった。

 下流からやってきたカメラマンに声をかけられた。 カワセミがこっち側からでは見えない位置だったので、向こう側へ行くといい、河原へ下りて近づくつもりのようである。 彼の持ったカメラにはアダプタとレンズが付いていたので、相当な倍率になっていることだろうに、どこまで大きく写すのだろうか。 彼が対岸へ行ったところで移動しようと思っていると、彼に追われるようにカワセミが戻ってきた。 彼はさらに追っていた。



 いい場面はなかなか移せないのだ。 散歩の戻りにもカワセミを見かけたので、橋の上から観ようと陣取った。 するといきなり飛び込んでしまったので、ファインダーを覗かずにシャッターを押した。 やっぱり液晶画面を出しておくべきだろうか。 ズームを伸ばすこともできずに終了する。 この日はカワセミに三回ほど出合ったので、なかなかいい日であった。

 昔も記載したが、カワセミに執着するとお金がいくらあっても足りない、という先輩の言葉通り、この辺りが私のカワセミである。 と、納得するしかないのだ。


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