蜜柑の空蝉
訪れた植物園に温州ミカンの木があり、そこに蝉の抜け殻がまだ残っていた。 だいぶ古くなった10月30日のことである。
蝉は暗闇から明るい世界に出てきて、とっくに逝っている。 この日訪れた植物園では、現生に未練があるかのごとく、空蝉となって姿を残していた。 見ているうちに夏を思い出す。 今年は渓流魚が釣れなかったとか、台風が少なかった割に雨が多かったとか、暑い日が非常に少なかったとか、蝉の声が遅かったとか、少なかったとか、2020年の夏をいろいろと思い出した。 今年の蝉は受難続きだったのだが、来年はどうだろうかと黄色くなり始めたミカンを見る。
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