ここはどこ?高尾山
2018年11月23日 紅葉の時期に一度は高尾山に行っておかねばと、景信山から高尾山を目指した。 高尾山は、見たことのない「山」であった。
紅葉の情報はなかったが、奥多摩の状況から、今行かなければ高尾山の紅葉は見られないと計画した。 いつ行っても人が多いのではあるが、テレビで見るような混雑を見たことはないので、これも経験したいと思っていた。 小仏峠下から景信山へ登り、小仏峠、城山、高尾山、戻りは小仏峠から甲州街道を下る。
八王子の甲州街道は銀杏が見頃になって、広い道を進んでいくのも楽しい。 旧甲州街道に入っていくと、バス二台と擦れ違う。 ん? うぉ~ ものすごい登山者が歩いている。 途中の車を見て駐車場所が気になったが、運良く一台だけ空があった。 登山靴を履いているときも、目の前を通過していく登山者。
景信山の登山口まで下っていく。 変な顔される登山者と擦れ違いながら、景信山登山口に足を踏み入れる。 前も後も登山者で、特に後ろからは今流行りの煽りが気になってしょうがない。 何人に先へ行ってもらったことだろうか。
一時間も登れば景信山である。 思ったよりも登山者が少ないと感じるのは、山頂の広さであろうか。 山頂の紅葉は時期を過ぎているのか見頃なのか、中途半端である。 まぁ、もみじは見頃かもしれない。
真新しくなった山頂標は、東京が奥多摩の山に設置しているのとは違い、木製でなんとなく「業務用」に見えてしょうがない。 この標識は、高尾山までそうであった。
山頂をぐるっと回ると、富士山も都心も東京湾に反射する朝日も見える。 相変わらず、ここからの景色は素晴らしい。
ここで一番新鮮だったことがある。 私は一通り景色を舐めまわして休憩していると、すぐ前のテーブルにグループがやってきた。 一人が、「富士山はどっち?」と云うと「あっち」と云った途端に、「うぉ~」、はっきりは覚えていないがとんでもない大声の驚きだったということである。 久しぶりに私が驚いた。
景信山から小仏峠に下っていくと、多くの登山者と擦れ違う。 総じて若者が多いようで、元気なせいか色々なこと喋っている。 年寄りは、そのしゃべっている内容が気になってしょうがない。
中央高速は混雑しているが、情報通りに追い越し車線だけが混んでいる。 あそこから登ったのだと、簡単に確認できる。 小仏峠の狸は健在であったが、峠の標が見当たらなかった。 いったいどうしたのでしょうか。
営業中止した茶屋の跡から富士山と相模湖を眺める。
並走する登山者が多いのは、私の歩みが遅いからで、後ろからどんどん追いついてくるのである。 外国人にも抜かれて、程なく城山である。 都心方向の景色がよく富士山も頭が見えるのは、景信山と同じである。 木彫りの天狗がトレードマークか。
この山頂も広いのだが、テーブルはすべてふさがり、ちょっとした広場もいっぱいで、ついでに便所は長蛇の列。 休みたいのだが、座る場所がないので、仕方なく移動する。 実は、煙草を喫いたいのだが、この人混みでは無理なのだ。
一丁平へ向かう途中で、わずかな紅葉を楽しんでいると、登山道が通行止めで迂回路が開かれていた。 その道は杉が伐採され、東側が素晴らしい展望になっている。 ただ、道が踏み固められた泥なので、湿っている今日は滑って転んで、非常に危ない。
一丁平の展望デッキからは、富士山が見えるはずが雲が出て、見えなくなってきている。 そのせいかどうかは定かでないが、周りの空き地で食事する人は多いのに、デッキに出ている人がほとんどいない。 富士山は見えないが、天気が良い出だ。
坂を下りて便所があり、そこには人が・・・ 酒飲んでいるし、音楽会をしていて、さながらパーティである。 そんな中でテーブルで食事するグループが怪しげである。 男三人は私より先輩、女性二人は私の息子より若そうな、グループなのだ。 しかし、皆しっかりした登山スタイルなので・・・羨ましい!
坂を登れば紅葉台である。 茶屋の紅葉はちょうど見ごろ、素晴らしく真っ赤な紅葉が見えた。 素晴らしいが、その道には一気に人の数が増えて、登山道は花道状態、両脇に座り込んだ人たちが溢れている。
茶屋は一杯、注文の行列があり、購入して食べることも、自炊することも難しい状態である。 登山者はだんだん、それも急激に増えている。 いい紅葉なのだが、休憩することもできずに通り過ぎる。
階段を真っ直ぐ登っていけば高尾山である。 この辺りでは、話の内容が分からない言葉が聞こえだす。 そんな人たちは、街歩きの靴であり、高級そうな靴の人もいる。 外国人を掻き分けて登り、階段が終わると紅葉は目の前に広がった。 素晴らしい紅葉である。
ところが路は見えず、足の置き場がない。 ちょっと大袈裟だが、とにかく階段のところにも人が座っており、とにかく座れそうなところに座って飲み食いしているのである。 さながら、上野公園の花見状態である。 秋の花見、いいですね~
「邪魔だ~どけ~」 と言いたいところだが、避ける場所がない! 山頂に人混みを掻き分けて到着すると、更に身動きできない。 リュックを背負っている私が、一番邪魔なように感じながら、高尾山標識までやってくる。 写真撮影の順番待ち、しかも4面で「高尾山」が見えているにもかかわらずである。
一刻も早くどこだかわからないところを抜け出すべく、来た道を必死に戻って行く。
紅葉の時期の高尾山、バラエティーネタになる高尾山、山渓でも9年前にすごい写真が載っていた高尾山を一度は経験しておかないといけないとやってきたが、この時期のこの山は登山装備が邪魔だし、似合わないと分かった。
めでたし めでたし
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