雪の三窪高原

tenkara1nen

2016年11月27日 23:15

 11月26日 木曜日に雪が降ったので、雪道の散歩ができると踏んで、三窪高原に行ってきた。 雪道の散歩は実に楽しい。

 水曜日の未明から雪が降り始め、木曜日は自宅の辺りも雪になり、結局関東地方全域で雪になった。 通勤は酷い目に遭ったのだが、何事もなかったかのように、夕方には消えていた。 しかし、山にはぜったい雪が残っているので、雪道散歩を計画した。 ただし、あまり雪深かったり、工程が長すぎると不安なので、三窪高原の散歩とした。

 半日降っただけの雪なので、街に雪の痕跡は殆どない。 天気は良い。 気温3℃、土曜日にしては車も多くない。 真っ青な空を見ながら、紅葉の奥多摩を抜けていく。 奥多摩湖の駐車場は、先週のもみじがすべて落ちていた。 気温0℃。 丹波山村に入ると、ところどころに雪が見え、村の街並みを抜けると、雪は道にも残っていた。 柳沢峠まで行く間は、凍結場所もあった。

 峠近くが最も危ない。 若干滑りながら、無料駐車場へ入ると、一面の雪が駐車を邪魔する。 私の車では、除雪されていた便所近くが最も相応しかった。 車は一台もなかったので、悠々と駐車して、悠々と便所も借りる。 こんなに天気がいいのに、すでに8時を回っているのに、どうして今日は人がいないのだろうと首をひねりながら、登山靴を履く。

 一面の雪、青い空、気温-5℃、申し分ない。 まったくもって寒い。 便所の軒から氷柱が下がる。 寒い中を林道へ向かうと、最初から雪に靴が沈む。 雪の下がどうなっているのか分かりづらく、最初から注意しなければならない。 して、林道が綺麗に除雪されていたのも悪い。 凍結していて滑るのだ。 まぁ、すぐに登山道となるので、少しの辛抱である。

 登山道に入ると、一切の足跡がなく、最初に足跡を付けるのがもったいないような、同時に気持ち良いだろうな。 そこへ、サクッと踏み出していく。 やはり、気持ちいい。 周りにはまったく色がなく、白と黒のだけの世界になっていた。 広葉樹と落葉松には黄葉もなく全ての葉が落ち去り、常緑の樹木も黒く見える。 太陽の光が唯一の変化である。

 変化を求めるためには、登山者が必要である。 人もいないことだし、自撮りしながら登ることにする。 登山道に最初に足跡を付けていると思っていたが、すぐに足跡が現われる。 鹿や小さな動物、ウサギ?タヌキ?ハクビシン?テン?イタチ、名前を挙げても足跡では分からない。 雪に下りた野鳥の足跡もあったかもしれない。

 尾根まで上がった。 柳沢の頭はすぐそこであるが、その前にびくっとするような足跡があった。 人が蹴散らしたのかと思うほどの荒れようで、突然頭の近くに現れ、山頂の手前で斜面に消えていた。 その荒れ方は、鹿と思えなくもないが、猪、熊、ではなかろうかと思うものである。 この後、登山道の横がめちゃめちゃに掘り返された、真新しい穴もあったのだから・・・

 柳沢の頭から富士山はよく見えていた。 甲府盆地には雲(霧)が立ち込めている。 ところどころの雲は立ち上っていたりするので、あの下に何があるのだろうかと気にかかる。 南アルプスもすっきりと見えていた。 ただ、やっぱり写真では私の感動は記録できない。 見えないものを(頭で補って)見ているのであろう。 山の色まで違っているのだ。 (狂っている)

 雪の中を淡々と歩く。 すでに汗は乾き、さわやかな山歩きになっている。 ただし、雪道はやっぱり疲れる。 なんでもない道でも雪の抵抗がかかっているのだろう。 鈴庫山への分岐に下りてきて、まだ行ったことがないこともあって悩む。 行くのなら雪のない時にしようと、自撮りだけで先へ行く。 ハンゼの頭は、この上なのである。

 足跡のない、頂上は気持ちが良い。 富士山、南アルプス、北側の山も東側の山も、すっきりと見えている。 同定できればいいのであるが、その力はない。 山の案内図が西と東にあるので、長い時間確認を試みたが、どうしても案内図に注文してしまい、確認は難しかった。 これは経験とセンスが必要なようである。

 DoCoMoの中継局へ向かう。 気持ちの良い階段状の雪を踏みしめながら下っていく。 雪をあまり見たことのない。 いや、10cm以上積もった雪をあまり見たことがないので、雪の中は楽しくてしょうがないのである。 そして、ウソの群れやアオジの群れ、コガラ、エナガ、コゲラなどの野鳥を観察することができる歩きは楽しい。

 中継局からはDoCoMoの林道である。 足跡はたくさんあったが、人の足跡はない。 ここからは安心してよそ見ができるので、周りの観察に余念がない。 野鳥の多さが疲れを和らげる。 林道へ入ると、流れも見えたりして、元気になるから不思議だ。 そして国道へ出ると、雪は全くないべちょべちょの道になっていた。 東京水道水源林の石碑を横目に柳沢峠である。




(このくらいの距離でも5時間かかった)


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