笠取山
10月13日 先日登れなかった笠取山で、富士山を眺めるのです。 あわよくば、紅葉の登山道であればいいのですがね。
昨日は飲み会で、まだ若干酒が残っています。 ふらふらしながら、大事にしまっておいた登山靴を取り出し、今日は忘れないように早々と車に積みました。 先週の二の舞をしないように、手持ち以外にリュックの中も丁寧に確認しました。 先週使い果たしたストーブの燃料を交換します。
この日は非常に気持ちのよい晴天で、空気はひんやりとしています。 上着を着ていないので、車から出ると少し寒さを感じますが、山歩きには良さそうです。 車は10台以上あり、今から登る人が5人ほどいますが、これといった準備のない私は、登山靴に履き替えれば、先に笠取山に向かえます。
歩き始めてすぐは、ここには渓流魚がいる筈だと流れが気になります。 今年はここへは来ていないので、ついつい魚を探してしまうのです。 流れからいったん外れると野鳥の天国です。 初めて見る?野鳥を撮影しましたが、はっきりは写りません。
ヤブ沢を登っていると、細い流れの中に岩魚を見つけました。 この辺りにも産卵のためなのか、岩魚が登ってくるのです。 残念なことに、こんな細い流れまで釣り上がることはないのですが、来シーズンは散歩がてら釣竿を持って登りましょうか。 迷いますね~
尾根までは、相当必死に登り続けました。 紅葉はまだのようですが、所々に赤や黄色の木はあります。 途中に、大菩薩嶺が紅葉の隙間から見える場所があるのですが、まだ紅葉ではなく、緑の葉っぱでした。 その後も前向きに歩き、へとへとになって広い尾根道に到着です。
ここまでにすでに二人に抜かれています。 登山は集団を除いて、ひたすら登る人が多いので、とても速く山頂に到達します。 歩く速さもそうですが、私にはとても真似ができません。 ベンチでゆっくり休息をとり、頑張った顔を記念撮影します。 水を飲んで出発です。
歩き始めると、聞きなれた野鳥の鳴き声がすぐ傍で聞こえ、カサカサっという音と共に姿も見えました。 ミソサザイです。 なんで、こんなところにいるのでしょうか。 ここは稜線上で、水の流れは全くありません。 今までは、渓流脇でしか見たことがありませんし、渓流脇の林道でさえ数えるほどしか見ていません。 笹藪の中を行き来し、たまに出たり引っ込んだりしていました。 子育て中でしょうか。
笠取小屋からは、大菩薩嶺がはっきり見えていました。 誰もいない広場で両手を広げ深呼吸・・・「痛!」 肩が上がらないのです。 両手は下に広げて深呼吸し、写真を撮ります。 さぁて、ここからが登山です。 気分の良い広い稜線上を歩くのです。
笠取山までは、防火帯のような切り開かれた稜線になります。 高木が一定幅で切り払われており、視界が良くて、気持ちよく歩けます。 この路の東側は、水源地ふれあいの道として東京都が整備していますので、多摩川の水干までをピークなしで楽に歩けます。 今日の私は頑張って、見晴らしの良い登山道を歩きました。
小さな分水嶺までやってきました。 北から、荒川、多摩川、富士川の分水嶺になります。 通常、山ではひときわ高いところが分水嶺ですが、ここは周りに高い山があるので、なかなかピンときません。 三角点のような石柱がなければ、ただの丘です。 さて、もう一頑張りしますか。
笠取山最後の難関です。 一旦下り、山頂を見上げると、「行くか!」の決断が必要なのです。 私には、この直線的に登る坂が苦痛で、足がパンパンになります。 途中、紅葉や富士山の写真を撮るためと自分に言い訳をしながら、休み休み登りました。 笠取山山頂です。
山頂には誰もいません。 その代わりに一羽の野鳥が鳴いていました。 おもむろにリュックから缶コーヒーを取り出して、一息つきます。 正面には富士山がくっきり見えて、山頂の一人占めです。 視界を遮るものがない景色はいいものです。
気分が良くなったところで、登山者が山頂に来始め、一人占めが難しくなってきました。 山は逃げないのですが、気分は「急がねば」と、逃げないはずの富士山を写します。 南側は大菩薩嶺、富士山以外に南アルプスも見渡せ、重なる山々がグラデーションになっています。 また、下のカラマツ林は黄色に染まり始めています。 記念写真を一枚写しました。
三角点のある笠取山を目指し、その後水干へ向かいます。 岩場の歩きは、私には危険です。 足を滑らせたら、と思う場所があるので、慎重に向かいました。 こちらの山頂は山梨百名山の山頂より狭いスペースではありますが、南側の一部から同じように富士山が望めます。
所々の紅葉を見つけながら、明るい道を歩きます。 多摩川の水干が見えてきました。 谷には若干の紅葉が見れますが、とりあえずは水干を覗きました。 これで何度目でしょうか、まだ一度も最初の一滴を見たことがありません。 いつも乾いているのです。 誰もいないので、ここで昼食をとります。
綺麗に整備されたベンチとテーブルで、だれにも邪魔されずに、上空の紅葉を見ながら、のんびりとラーメンをすすります。 紅葉はいいですね~ 煙草を吸いながら、ベンチに寝そべって寛ぎます。 にぎやかな声が聞えたので起き上がると、楽しそうに歩くアベックでした。 邪魔をしてはいけません。
広げた荷物をリュックに詰め直した後、東京都の職員二人がやってきました。 ヤスデの大量発生の年あたり、駆除しているとのことで、特に今日は20人くらいを案内してくるので露払いをしている、とのことでした。 命の水を守る水道局はこんなところでもPRをしているのですね。 大変です。
多摩川最初の流れが見れる場所(水干の下)へ下りると、ここでも水道局の職員がヤスデ駆除をしていました。 職員は皆若者で、一番若そうな女性などは、山道を走って下りてきて、走って登りました。 何とも羨ましい限りです。 多摩川最初の流れははじめてみました。 他の沢と何も変わりありませんが、この谷の紅葉は綺麗でした。
戻りも登山道を使い、広々とした高原の景色を堪能します。 小さな分水嶺を越えると野鳥がたくさんいました。 笠取小屋からは、一休坂を使って、作場平まで下りました。 何と7時間20分の山歩きです。 途中の野鳥がいけないのです。 散々追いかけ回し、何度も何度も焦点を合わせ直し、電池の予備も使って、その挙句時間がかかってしまったのです。 明日は大丈夫でしょうか・・・
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