2024年05月14日
小さくても色よい岩魚
2024年5月11日 赤いヒレの岩魚を探しに行った。 残念ながら小さい岩魚ばっかりで、「らしい」岩魚しか見られなかった。 それも小さなものでる。
釣り人のいないところはないか。 余り歩かなくても岩魚のいる渓はないか。 二千万人が暮らす場所から近いので、釣り人のいない場所などないし、そんな場所に岩魚がいること自体軌跡かもしれない。 私は多摩川源流部にしか行かないので、こんなことになっているのだが、いいところはないのだろうか。 ということで、小菅川の釣りにならない細い沢に行くことにする。
先行者がいれば確実に釣られない細さなので、車があれば引き返すしかない場所なのだ。 奥多摩湖に上がっていく道では車列は8台になっていたが、小菅村に向かうのは私ともう一台になり、私が離れて一人になる。 これで先行者がなければまずは成功である。 いい天気の中、駐車できて笑顔になる。
流れが近くなったところにある滝はまだ釣っていない。 下に回り込んで、第一投は流れ出しを狙えば、最初からチャプッと口が出た。 ピッと合わせるが、掛かりが浅いのか外れてしまう。 この岩魚は二度と出なかったが、落ち込み脇では大きくはない岩魚にしっかりと咥えさせる。
今季初の流れを進んでいくが、まるっきり反応がない。 浅い流れなので、私よりも先に姿を見ているのかもしれない。 しかし、浅瀬に出ているのはだいたい小さな岩魚なので、それが走って深場の大きな岩魚に知らせているに違いないのだ。 結局いつもの踏み跡終点からの釣りと違いがない。
小さな岩魚はたくさん出てくるのだが、手応えがなくて満足感がない。 浅場では小さな岩魚(最悪!、11cmも咥えた)、わずかしかない深場でも20cm前後の岩魚しか出ないのである。 さっさと先へ行って、今期釣っていない流れへ向かう。 斜面で足が滑り、わずかな踏み跡を踏み抜き、背筋の凍る思いで流れに着く。
この辺りに残っている岩魚が大きいはずだ。 しかし流れの様子が変わっており、石もなくただ浅い砂場だったり、枝が多い木がかぶさる淵になったりしている。 陽の光も邪魔で、大物は日陰に潜んだままである。 石垣が残り流れは狭く水量もなくなって、もう釣りにはならない。
今日の目的の一つである赤いヒレの岩魚は出てこないが、それらしいものは出てくる。 尾びれ、知りびれやむなびれが橙色に見えている岩魚である。 しかし、その岩魚は15cmしかなく、大きくなればきっと赤くなるのだと、元の流れに優しく放す。 赤っぽいヒレの岩魚はこの一匹しか見られない。
石垣がしっかりと残る場所まで来て、先の二股を見ながら、せっかく恐怖を乗り越えてやってきたにもかかわらず、不満を覚える釣りである。 まさかこんな所まで釣り人が来ているのかと足跡を見ながら、ここから尾根に向かえないか、もしくは集落へ下る路はないのかときょろきょろする。
斜面の下りを無事通過し、植物にも目がいき、路に出てほっとする。 木漏れ日の植林を下っていく。
タグ :岩魚
2024年05月13日
今季初の妙見五段の滝
2024年5月10日 昨日の幸運を頼りに小菅川の最上流で竿を振った。 昨日の調子は消え失せ、ほとんど釣れず、鉛筆のような岩魚まで釣れてしまった。
昨日は雨の中、雄滝の上で竿を振って大きめの岩魚がたった一匹だけど釣れた。 もしかしたらと大いなる下心で、今日は今年まだ釣っていない小菅川の巡視路から上を釣るのだ。 問題は釣り人がいるかどうかであるが、いつものように元気な釣り人たちのようには早く着かれないことである。
林道には車がないので少々安心したが、奥まで行くと同じフィットが駐車されていて、肩を落とす。 しかし今日は今年初めての流れだし、人がいようがお構いなしと考えていたので、気を取り直して準備する。 颯爽と・・・はぁはぁ云いながら、日向沢との間の小尾根を登っていく。 やっぱり疲れる~
歩き始めは寒かったが、すぐに体が温まり、気持ちよい山歩きに変わっていく。 こんな時こそ気を付けなければいけないと、慎重に窪を渡り、大木の倒れる尖った石のガレ場を進む。 安心できる道に戻って、巡視路の桟橋が見えれば一休み。 珈琲を飲んで一服し、先着者がどこにいるかと思う。
最初に釣れた岩魚には驚いた。 階段状の流れの中段からぐっと出たのだが、最初だけですぐに引き抜けてしまう。 網に入れれば、その姿が細すぎてまるで鉛筆のようにメリハリのない姿である。 その上の段でも出たのだが、今度は重くて外れてしまう。 きっと大きかったに違いない(釣り人の話)。
ふと後ろを見ると釣り人がいた。 最初は終われるようにどんどん釣り上ったが、鳥小屋沢出合い辺りでとうとう追いつかれる。 疲れたのである。 私と同じような流れをルアーで釣り、私より奥まで、遠くまで歩くのが私と違っている。 介護職にあるらしいが、私より歳かもしれないと思い、先に行くよう勧める。
曲がった滝までくれば妙見五段の滝は近い。 大きな渦に毛鉤を乗せてじっと待てば、キュ~と引っ張りこまれる。 水量のある深い滝つぼは、岩魚が逃げる場所が広いので、引きが強く十分楽しめる。 もしかしたら大きいかもしれないと思って、時間をかけて引き寄せれば、全くもって大きくない。 ただ色は私好みである。
立ち上がって滝の上を見ると、先へ行った釣り人が戻ってきた。 この釣り人と再び話しすると、私と同じ流れで11匹もの岩魚を出したという。 しかも大きめ(本人は小さいと思っているらしいが)も出しているので、どこをどう引っ張っているのか聞きたいくらいであった。 別れてからは岩魚は全く出てこなかった。
妙見五段の滝までやってきて、新たな岩、尖った岩が落ちて来ているのに怯え、ろくに竿も振らずに下の平場に戻る。 妙見五段の滝の四段はガレ場を登れば見えるのだが、あと一つが見えない。 中間の低い落ち込みか、さらに奥の滝か、どちらが妙見五段の滝の一員かは知らないが、一つも登らないで終わる。
戻ってきて先のルアーマンとまた出合い話をしていると、82歳の釣り人が上がってきたので話を聞く。 今年免許更新をするという釣り人は、4月に赤沢で37cmと32cmを釣ったばかりだと写真を見せ、超硬の竿に0.3号で極細の針を使い、餌は元気な川虫である。 実際ちょろちょろしている川虫も見せてくれた。
釣り方は違っても共に上手な二人に出会って、これなら私が釣るのは難しいと思った一日であった。